福祉車両開発の取り組み…開発要件織り込み、ライン生産

自動車 ビジネス 企業動向
リヤスロープ車
リヤスロープ車 全 12 枚 拡大写真

「福祉車両の開発スタイルが変化してきた」と語るのは、トヨタ自動車商品開発本部トヨタ第三開発センターの岩田秀行チーフエンジニア。

【画像全12枚】

従来は、ベース車に後から改造を施す、特装車的な開発だった。現在も多くはこのように開発され、また生産される。

トヨタではすでに、ベース車の開発スタート時より福祉車両の要件を可能な限り織り込むようにしている。またトヨタの中で開発者が考えるだけの開発だったのが、開発車の仮説/アイデアを検証し改良するため、顧客の意見を聞きながら開発する対話型開発になっている。

福祉車両の要件をベース車両に織り込んだ例を挙げると、先代の『ラクティス』で、スロープ車が車いす使用者を乗せられるように、ルーフ高さを決定した。スタイリングや燃費(空力)の観点からは、ルーフ後端をもっと下げたかったところだ。

新型ラクティスでは、ベース車とスロープ車の2車体を作り分けるようになった。ルーフとバックドアはスロープ車専用のものを設定している。スロープ車の型式認定は初めてだという。車体は作り分けても、スロープ車の設計はベース車のそれに織り込み済みなので、同じラインで生産でき、このことはコストの低下に貢献している。

高齢化の進む社会において、移動手段を確保しないと家に閉じこもる人が増えてしまう。対応としてインフラを整備するとともに、手助けする健常者の意識の変化も必要だろう。「そうした中でトヨタは、車いす老人家庭で利用しやすい車の開発、使いやすい福祉タクシーの開発といったことをしていきたい」と岩田チーフエンジニア。

《高木啓》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 日産『ノートオーラ』など5車種783台をリコール…光軸が保安基準を満たさない
  2. 「息を呑むような美しさ」マツダ『VISION X-COUPE』に熱視線! 新時代のクーペ像にSNSでは期待の声
  3. カローラクロスと立場が逆転、だからこそ生まれた「斬新セダン」のデザイン…ジャパンモビリティショー2025
  4. ポルシェ『カイエン』新型、11月19日世界初公開へ
  5. 【マツダ CX-5 新型】反対を押し切った「一本のプレスライン」が生み出す妙、「原点回帰」めざしたデザインとは
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る