新型日産『セレナ』の自慢のひとつは、視界のよさだ。単にガラス面積の広さもすごいが、それだけではない。たとえばAピラーは、先代モデルよりも三角窓を大きくし、ピラーの傾斜を強めることで死角を大幅に低減している。
実はこのAピラーには死角を無くすために「そんなことまで?」とさえ思う配慮は盛り込まれている。なんと、左右で形状が違うのだ。
「ドライバーの目線でピラー越しに斜め前方を見たときに、もっとも視界が広がるように工夫しました」というのは商品企画室セグメント・チーフ・プロダクト・スペシャリストの角智彰さん。
「具体的には、後方Aピラーのトリムの形状が左右で違うのです。ドライバーから見た際の視界の広さを最大にするために、左右で抉り方を変えてあります」(角さん)
セレナの開放感の高さは単に窓が大きいことに起因しているように思えてしまうが、実は小さな工夫の積み重ねなのである。