リチウムイオン電池部材市場、12年度は5196億円に拡大…矢野経済研究所予測

自動車 ビジネス 国内マーケット
LIB主要四部材 世界市場規模推移(国別) LIB主要四部材 世界市場規模推移(国別)
LIB主要四部材 世界市場規模推移(国別) LIB主要四部材 世界市場規模推移(国別) 全 2 枚 拡大写真

 矢野経済研究所は14日、「リチウムイオン電池」(LIB)用の主要四部材(正極材、負極材、電解液、セパレーター)に関する市場調査結果を公表した。

 携帯電話やノートPCなどの情報通信機器の電源として搭載されるリチウムイオン電池は、十数以上の部材点数および材料から構成されるが、この調査では、正極材、負極材、セパレーター、電解液の主要4部材を対象とし、2010年9月~12月にリチウムイオン電池部材メーカー(日本、韓国、中国、米国など)からヒアリングなどを行った。

 2010年度は景気回復にともない、特に携帯電話ではスマートフォン、ノートPCではタブレット型PCの需要が堅調であり、これらの機器需要の拡大によりリチウムイオン電池世界市場規模も増加。また、2010年度は車載用電池の出荷が開始され、中・大型LIB市場も立ち上がりつつあり、こうした動きが主要4部材需要も押し上げ、2010年度は出荷金額ベースで前年度比121.2%の3,666億円となる見込みとなった。

 2010年末から2012年にかけては、各自動車メーカーから、EV、HEV等の電動自動車が一斉に発売され、今後1~2年で、車載用電池が量産・出荷が開始される見込みだ。これまでのメインであったモバイル機器も緩やかながら継続増が期待でき、2012年度は出荷金額ベースで前年度比121.1%の5,196億円と予測された。

 主要四部材の世界市場規模(出荷金額ベース)を国別に見てみると、2008年度は日系メーカーのシェアが66.0%であり、中国は13.9%、韓国は12.2%。しかし2010年度には日系メーカーが55.9%、中国が23.0%、韓国は13.8%であり、日系メーカーのシェアは減少傾向となった。数年前までは韓国、中国LIBメーカーは自国内にLIB部材メーカーが育っておらず、その品質の高さからLIB部材の多くを日系LIB部材メーカーに頼ってきた。ただ、LIBの出荷増にともない、最近では技術的な競争力向上、および円高による輸入コスト削減を目的としてコア部材の国産化を進めていることが、中韓の成長の背景にあるという。

リチウムイオン電池の主要部材、シェア争いが激化…中韓がシェア伸ばし日系メーカーは減少傾向

《冨岡晶@RBBTODAY》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 新型アウディ『Q3』のインテリアを公開、「コラム式シフト」と新デジタルコックピットが目玉に
  2. 2.5Lエンジンを搭載する『インプレッサ』登場、米2026年モデルに「RS」
  3. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  4. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  5. シボレー『コルベット』がニュルブルクリンクで「米国メーカー最速ラップ」樹立
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る