三菱自動車が発表した2010年4-12月期(第3四半期)の連結決算は、当期損益が22億円の赤字となった。前年同期の257億円の赤字からは赤字幅が10分の1以下に縮小したものの、依然として水面下にある。
期中の新車販売台数は、国内販売が昨年9月までのエコカー補助金制度の効果で同5%増の11万9000台と前年を上回った。北米は、米国が2000台増となったものの、カナダ・メキシコが2000台減少し、地域合計では横ばいの6万6000台だった。欧州はクロスオーバーの『ASX(日本名:RVR)』の販売が好調だったほか、ロシアで現地生産する『アウトランダー』も加わったこともあって同20%増の15万8000台となった。
アジア・その他地域は中国、インドネシア、タイ、マレーシア、フィリピン、ブラジルが好調で同23%増の46万4000台となった。
これらの結果、全体の小売台数は同17%増の80万7000台となった。売上高は為替換算の影響があったものの、販売台数の増加で、前年同期比37.7%増の1兆3108億円と大幅な増収となった。
営業利益は円高で為替差損287億円などの減益要因があったものの、販売台数の増加やモデルミックスの改善で541億円、コスト低減効果で106億円の増益効果で打ち消し、129億円の黒字となった。前年同期の198億円の赤字から黒字転換した。経常利益も113億円の黒字となった。
通期業績見通しは前回予想を据え置いた。