【新聞ウォッチ】GMが6年ぶりに黒字、トヨタの238万台リコール

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LX570(リコール対象)
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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年2月25日付

●NZ地震、崩壊ビルから47遺体、日本人研修先、死者102人に(読売・1面)

●原油高長期化必至、NY103ドル台、円高81円台(読売・11面)

●トヨタ238万台リコール、北米などで販売(読売・11面)

●GM6年ぶり黒字、10年通期(読売・11面)

●インサイド:トヨタとスポーツ(4)グランパス支援、地域とつながるツール(毎日・22面)

●三菱自、OEMでミニバン(産経・11面)

●パスモでポイント、都営地下鉄8月“出発”会員募集7月から開始(東京・1面)

●12年度採用明るい兆し、技術系中心に大幅増、ホンダ、マツダ(東京・6面)

●レアアース、脱中国へ1100億円投資、110社160事業、輸入3割減目標(日経・1面)

●鋼材2万円上げ要請へ、車・造船向け、新日鉄、4月から(日経・1面)

ひとくちコメント

米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)が2004年以来6年ぶりに黒字決算を計上したと発表すれば、トヨタ自動車は、米国を中心に世界で約238万台をリコール(回収・無償修理)すると発表した。

きょうの各紙にもGMとトヨタのニュースを興味深く取り上げているが、読売、産経、日経はGMの黒字転換のほうを大きく掲載した一方で、朝日と毎日はトヨタのリコールを大きく報じている。東京はトヨタを総合面、GMを経済面で掲載しているが、ほぼ同じ扱いだった。

最近では世界のトヨタとGMのニュースが同時掲載されるというのも珍しいが、2月24日といえば、ちょうど1年前、大規模リコール問題でトヨタの豊田章男社長が米議会の公聴会に出席し、涙ながらに証言した日でもある。そのトヨタ車の急加速問題では米運輸省が「電子制御システムに欠陥は見当たらなかった」との最終報告書を公表し、リコール問題には一応の区切りがついていた。

だが、その“特別な日”に、皮肉にもトヨタは約238万台もの大量リコールを発表。しかも、一方でGMは2010年12月期決算で最終利益が46億6800万ドル(約3800億円)を計上し、6年ぶりとなる黒字転換を果たした。さらに、同時発表されたGMの10年の世界生産台数は前年比34%増の871万台となり、トヨタ自動車を抜いて4年ぶりに首位を奪回。販売台数も約839万台となり、トヨタの約840万台に肉薄した。

この日のトヨタのリコール発表はメディアにとって格好のネタ。「米国での販売は思うように回復しておらず、トヨタが受けた傷は癒えていない」(毎日)という論調が多いからだ。ただ、日経だけは「この1年、トヨタは品質管理体制を強化してきた」,「米国での教訓から、わずかな不具合でも原因を特定し次第、迅速に公開する体制に改めた。その結果としてリコールの台数が増加傾向にあるのは確かだ」などと指摘している。

光と影を数字で比較するのが大好きなメディアである。「トヨタ対GM」という紙上対決はまだまだ続きそうだ。

《福田俊之》

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