デンソー、熱交換器を大幅コストダウン…トヨタの新興市場向け低価格車

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熱交換器。(左上)ラジエーター、(右上)ヒーターコア、(左下)コンデンサー、(右下)エバポレーター
熱交換器。(左上)ラジエーター、(右上)ヒーターコア、(左下)コンデンサー、(右下)エバポレーター 全 2 枚 拡大写真

デンソーは、トヨタ自動車の新興市場低価格モデル向けに大幅なコストダウンに成功したラジエーター、ヒーターコア、コンデンサー、エバポレーターの4つの熱交換器を開発した。

4つの熱交換器は、エンジン冷却水や、エアコン冷媒と空気と熱交換するという共通した働きをするため、構造は類似しているものの、要求される耐食性・耐圧性などが異なる従来、極寒・極暑などの世界のあらゆる環境で使用できることを前提に開発してきたため、熱交換器ごとに種類の異なる高精度な材料や部品が使われ、一部の市場では過剰品質となっていた。

今回、インドでの使用環境やニーズに性能をフォーカスするとともに、現地でコストの安くて調達可能な汎用材の使用を前提に開発した。この結果、現地調達率を高めると同時に、各製品を構成するチューブとフィンなどの材料・部品を大幅に共通化、材料種類を従来比で7割以上、部品種類も約4割削減した。

生産でも様々な工夫・改良を施した。中空構造となっているラジエーターやヒーターコアのチューブと、内部が波型の耐圧構造となっているエバポレーターとコンデンサーのチューブの加工は、成形機を改良することで同一の設備で作ることに成功した。

これら材料・部品の共通化、生産効率化で、従来は別々のラインで生産していた4つの熱交換器を一本のラインで集中生産することが可能になり、少量でも効率的な熱交換器の生産が可能になったとしている。

今回開発した4つの熱交換器は、トヨタが昨年12月に発売した新興市場向けの低価格車『エティオス』に搭載された。エティオスの低価格化にデンソーの新興市場向けに開発した技術が貢献している。

デンソーでは今後、他の車種での搭載に向けて拡販活動を行うと共に、今回の開発で培った低コスト化技術のノウハウを日本をはじめとする各国・地域でも共有、グローバルで製品競争力の強化を図る。

《レスポンス編集部》

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