トヨタ自動車は9日、「トヨタグローバルビジョン」を発表した。その席上、豊田章男社長は「トヨタがグローバル企業と言っていくら頑張っても、結局は日本代表という役割もあると思う」と強調した。
それを踏まえたうえで、グローバルビジョンでは各地域に権限を大幅に委譲し、マネジメント体制のグローバル化、分散化を図り、各地域の声がより迅速に経営陣に伝わるようにする。
「今後は本社の仕事のやり方が変わる」と豊田社長。今までは本社の海外事業本部がその地域を統括し、細かい指示を出していたが、今後は本社では「何をやるか」という大きな方向性を示すのにとどめ、「どのようにやるか」は現地に任せる。
例えば北米では、主力のセダン『カムリ』を含む主要車種の開発・生産を現地法人が中核となって進める。そして、本社の担当部署は現地ができないことをサポートする。いわば、本社の担当部署は海外の出先機関のような役割となる。
もちろん、担当の地域本部長は現地に駐在する。また、本社の部署名も地域名をつけたものではなく、現地法人の名前の後にジャパンをつけた形となる。例えば、アジアを担当する部署はTMAPジャパンという具合だ。