避難指示が発令され、普通の服装では立ち入ることができない福島第一原発の緊急対策室の様子が8日、公開された。
災害策本部会議中の風景で、大画面のモニターには千代田区内幸町にある本店に設置された統合災害本部、福島第二原発、原子力災害対策センター(オフサイトセンター・福島県大熊町)、事故前はサッカー施設だったJヴィレッジの拠点が映し出されている。
「テレビ会議で各地の拠点を結び、円卓を囲んで意志決定を行っている」と、松本純一原子力・立地本部長代理は、説明する。
また、立錐の余地なく立ち見をしている様子は、福島第一原子力発電所内のミーティングの様子。
「作業各班からの状況報告を得て、全体で情報共有をしている」(松本氏)という。
この会議が行われているのは、福島第一原発内にある免震重要棟。こうした事故の拠点となる建物だ。出入口はビニールで覆われ、ユニットハウスを形成している。
福島第一原発周辺には、同所から放射性物質が大気中と海中に放出されているため、屋外では写真のような作業員は全面マスクや防護服を着用し、線量計を身につける。
そのため免震重要棟に入るときは、このユニットハウスで汚染された防護服を脱ぎ、放射性物質を遮断して入る必要がある。
また、それだけでは不完全なので、免震重要棟に入ってきた放射性物質を除去する局所換気を行っている。吸い込んだ屋内の空気をチャコールフィルターで放射性物質を除去し、再び戻す。換気扇の右側にガムテープで段ボールが取りつけられているが、これは風向きを変えるためのもの。
また、屋内で作業する作業員の被曝を低減するために、ガラス窓には鉛ボードを張って、被曝を低減させようとする努力をしている。