【東日本大震災】ボランティア参加ルポ…裏方作業も重要

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宮城県避難所マップ。県内の避難所は約500ある。
宮城県避難所マップ。県内の避難所は約500ある。 全 7 枚 拡大写真

「避難所でのこれ以上の死者、状況悪化者を出さない」というのが、ボクが参加するボランティアの活動内容。

具体的にいえば、避難所をまわって状況と困りごとを確認し、求められていることがあれば関連するボランティア団体へつなぐことだ。なかでも病人や障害を持つ人、子供、小さな赤ちゃんを持つ母親など、弱い立場にいる人が避難所での生活に困らないようにサポートしている。

たとえば食物アレルギーを持つ人が、支給される食事を食べることができなくて困っている。発育障害の子供が避難所の環境に適合できなくて困っている。老人を介護する人の数が足りていない……。そんな困りごとを拾い上げ、それらを専門的に活動しているNPOへとつないでいくのだ。

そのために100名を越えるスタッフが、500か所を越える宮城県内の避難所のすべてをまわって状況を確認しているのである。

そして、ボクに与えられた本日のミッションは、各地から物流倉庫へ送られてきた支援物資の中から、避難所からの要望に基づいて必要なものをセレクトして、活動拠点の事務所まで運ぶことである。

仙台港近くに借りている倉庫の周囲は、仙台の街からわずか数km程度しか離れていないのに、仙台の市街地とはまったく異なる風景だった。生活環境が回復しつつあることを感じさせる仙台の街中とは異なり、津波の痕が生々しく残っているのだ。この場所を片付けるだけでも多くの手間を必要とするに違いない。仙台港の周辺では電力供給が復帰していない場所もあった。

荷物の仕分けと運搬をする作業は地味であり、包み隠さず言ってしまえば「ボランティアとしてやっている」という充実感は薄い。しかしこんな裏方作業も、避難所にいる人たちをサポートするためには大切なのである。

荷物を積んでの帰り道に、広大な土地に水没したクルマを集めている場所を見かけた。多くのクルマは、まるで大事故を起こしたかのようなつぶれ方だ。津波が持つエネルギーの大きさと怖さを実感するには充分な光景だった。

《工藤貴宏》

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