ダイムラーAGは21日、東日本大震災の災害復興支援車両として被災地に送るメルセデスベンツ『ゼトロス』8台、『ウニモグ』4台、『Gクラス』8台、三菱ふそうトラック・バス『キャンター』30台の譲渡式を開催。
会場となった三菱ふそうトラック・バス喜連川研究所(栃木県)には、被災地へと送られる合計50台の車両が集められ、譲渡先となる日本財団に引き渡された。
また、同所内のクロスカントリー路や不整地路などでデモンストレーションも行なわれ、ゼトロスやウニモグが水深1m以上もある沼地を走り抜ける姿を披露したほか、ゼトロスのクレーン付きタイプやダンプタイプは瓦礫などの撤去を想定した積み下ろし作業を公開した。
今回日本に上陸した8台のゼトロスは、タイプ別にダンプ4台(うちクレーン付き2台)、トラック4台(うちウインチ付き1台)。同じく4台のウニモグはランフラットタイヤ1台、ウインチ3台となる。
「これらの内訳はダイムラーがチョイスしたわけではなく、できるだけ早く被災地に何かを届けたいという思いで、即応性と機動力がありコンディションのいいクルマを欧州諸国から早急に集めてみたらこうなったというもの」とメルセデス関係者。
今回の50台には新車もあれば中古車もある。「営業用のデモカーや展示車なども含まれる」(同)。
こうした経緯で、軍関連で使用されるはずだったゼトロスも含まれていて、「ゼトロスの濃いグリーン系はNATO軍カラーじゃなかったかな。いずれにしろゼトロスはこのままでは国内でナンバーを付けて走れないので、おそらく赤枠が付いた仮ナンバーのようなものを付けて被災地で活躍するのではないか」という関係者の話も。
日本の道路を走らせるため、ゼトロスやウニモグには「若干の変更」が加えられている。国内の左側通行にあわせ、前照灯の光軸を調整してあったり、ライト面にマスキングが施されているものもあるという。