3月のジュネーブモーターショーで発表された三菱『コンセプトグローバルスモール』は、今後発売される予定の小型乗用車のコンセプトモデルだ。デザインは、これまでの三菱車とは少し方向を変えたとデザイン本部デザイン部主任(デザイン担当)吉峰典彦さんはいう。
「欧州メーカーは新型車やモデルチェンジで、スタイリングフォルムを従来車からあまり変えません。われわれも、今回は変えていいものかどうか色々協議しました」という。しかし、今回は「多くの国で売るということ、そして、いかに新しい三菱のエコロジーでありエコノミーであるというところをどうにかスタイリングに表現できるかを考えたのです」と話す。
これまで吉峰さんは、『エボX』や『RVR』を手掛けてきた。これらは欧州の要望から、シャープで男性的なデザインにしたという。しかし、「あえて私もいままでの自分を殺して、優しい面質や、そうはいっても、(三菱らしい)精悍なスパイスを入れることなどをして調和を心がけ、そこに苦労しました」という。
面質について、吉峰さんは「以前欧州車などに乗っていて、なぜデザインに魅力があるのだろうと考えていました。それは面質が柔らかいけどスタンスが良いことに気付いたのです。イタリアのカロッツェリアと仕事をした際、シャープに見えて意外と柔らかい面質だったりするのです。やっとわれわれも何となく、少しずつ同様の面質が出せるようになってきたと思います」とした。