【日産 リーフ 試乗】DとECOのメリハリある走りに好感…松田秀士

試乗記 国産車
リーフ
リーフ 全 6 枚 拡大写真

16日間、広報車を借りて足に使った。私は、気に入ったクルマはこのようにして試乗しないと気が収まらない。

リーフの走行モードには通常のDレンジとECOレンジがある。Dレンジで走る限り信号ストップからの出足も、そのあとの加速もモータらしいスムーズで力の入った加速が頼もしい。とても静かで、しかもアクセルを踏み込む右足に忠実に反応してしっかりと加速する。

0→40km/h加速はそんじょそこらのパフォーマンスカーにも引けを取らない。高速域でもしっかりとした加速が気持ち良い。強い加速を要求するとき、キューンというジェット機のタービン音にも似た小さな音が気になる人もいるかもしれないが、なんとなく未来的な音質でボクは好きだ。しかし、このモードで気持ち良く走り続けていると“電費”は悪い。

そこでシフトレバーをもう一度Dレンジ側に操作することでECOレンジモードとなる。その瞬間、まるで軽自動車のエンジンンを搭載したかのように極端に加速は鈍り、もっとアクセルを踏み込みたくなるのだがECOモードゆえ遠慮した踏み込みになる。特に発進加速が鈍い。高速道路の1000円渋滞を走っているかのよう。

しかし、これも高速道路で速度に乗れば快適に走ることができる。当然、走りの軽快感は失われるが電費は極端に上がる。また回生エネルギーもより積極的に回収しているようだ。このDとECOの使い分けが極端に変化があり好感できる。

サスペンションはこのクラス(サイズ)では上級といえる。重量物(バッテリーなど)を車体の中心に集めしかも低く搭載。このレイアウトゆえサスペンションをソフトにストロークを取り、良く動かしている。そのため、乗り心地も良いのに、ハンドリングの応答性が速くコーナーリングも驚くほど速いスピードでこなせる。

私の使い方は、ガレージがマンションなため主に高速道路などの急速充電器に頼った。80%まで約30分。しかし、さらに継ぎ足し充電させると約95%以上まで充電できる。ただし、それだけのためにまた約30分。自宅に200Vの充電施設を備えるならば、しっかりと足になる。往復120km圏内ならばほぼこなせるが、急速充電器のある場所まで到達できれば、10分の充電でも残量が少なければかなり充電できる。バッテリーは空に近いほど速くたくさん充電することができる。逆に満タンの最後の充電は、電気を詰め込む感じで時間がかかるのだ。急速充電器が設置されている場所では5分、10分の充電が効くようだ。ナビの応答が若干遅れることが気になったが、クルマとしての完成度が高い一台だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

松田秀士|レーシングドライバー/モータージャーナリスト/僧侶
スローエイジングという独自の健康法を実践しスーパーGT最年長55歳の現役レーサー。今でも若者レーサーとバトルを演じるレベルを保っている。国内レースだけでなく海外レースにも多くの出場経験を持つ。メカニズムにも強く、レースカーのセットアップや一般車の解析などを得意とする。専門誌等への寄稿文は分かりやすさと臨場感を伝えることを心がけている。

《松田秀士》

松田秀士

成仏する直前まで元気でクルマを運転できる自分でいたい。「お浄土までぶっ飛ばせ!」をモットーに、スローエイジングという独自の健康法を実践する。これまでにINDY500に4度出場し、ルマンを含む世界4大24時間レース全てに出場経験を持つ。メカニズムにも強く、レースカーのセットアップや一般車の解析などを得意とする。専門誌等への寄稿文は分かりやすさと臨場感を伝えることを心がけている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
  5. 朝までこの恐怖に耐えられるか?…三和交通タクシーでいく心霊スポットツアー2025【夏休み】
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る