【新聞ウォッチ】景気「V字回復」予測、その前提条件

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トヨタ堤工場
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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年5月20日付

●東電社長に築舘氏、清水氏引責、赤字1.5兆円、きょう決算発表(読売・1面)

●車工場、木・金曜休み、夏の節電策土日に稼働(読売・10面)

●小型7人乗りシエンタ復刻、トヨタ、来月(読売・10面)

●レアアース価格統制、中国、禁輸解除後3倍に(朝日・1面)

●震災、続く景気減速、供給不足滞る車輸出、米販売店プリウス在庫夏まで「不要不急」の消費敬遠(朝日・3面)

●損保3社、業績大幅悪化(朝日・7面)

●EV蓄電池暑い日に家で活用、電力不足解消狙い官民研究会(朝日・9面)

●1800CC並みの出力実現、新パサート(産経・9面)

●公募社長候補まず取締役に、ユーシン48歳の元外交官(東京・6面)

●車内でネット3月にも、都営地下鉄・東京メトロ方針(東京・28面)

●被災地復興、道路・宅地を再配置、国交省、防災機能高める(日経・1面)

●トヨタ、秋から生産上積み、15万台、稼働日増やし減産補完(日経・9面)

●「EV、日本に3年後投入」VW日本法人社長、ハイブリッド車低価格モデルを追加(日経・11面)

ひとくちコメント

内閣府が発表した2011年1~3月期の実質国内総生産(GDP、季節調整値)によると、東日本大震災の影響で、前期比0.9%減、年率換算で3.7%減と大きなマイナス成長となったという。きょうの各紙がエコノミストによる今後の見通しを含めた分析記事を取り上げている。

言うまでもなく、マイナス成長の要因は「大震災によるサプライチェーン(部品供給網)の寸断で生産活動が深刻な影響を受け、企業や家計心理が一気に冷え込み、回復基調にあった日本経済は暗転を余儀なくされた」(毎日)からだ。

では「震災、続く景気減速」(朝日)がいつまで続くのか。日経がエコノミスト10人に先行きの景気動向のイメージを文字に例えて聞いているが、景気が夏までに好転し、急回復をたどる「V字型」を予想したのが半数の5人。それより緩やかな「レ」字型が2人。年明け以降に本格回復がずれ込む「U」字型の予想が3人いたが、停滞が長引く「L」字型とみる人はいなかったという。

結論としては「4〜6月期はマイナス成長を続けるが、7〜9月期にはプラスに転じる」と見通しているようだ。朝日も5人のエコノミストの予測を掲載しているが、日本経済は「V字」回復すると予想する中には「自動車産業は9月にはフル生産に戻るだろう」とコメントする人もいた。

だが、日経が実現には「部品の供給網」「電力不足」「家計や企業の心理悪化」という3つの関門が待ち受けていると指摘するように、不安材料も多い。仮に、牽引役の自動車の生産が正常化しても、国内は期待薄。需要が旺盛な輸出に振り向けても、この円高水準のままでは台数は伸びても収益を圧迫しかねない。期待と不安を抱きながら、7月からは「輪番操業」という新たな生活習慣が始まる。パソコン画面で予測したような「V字回復」になるかどうか。

《福田俊之》

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