【人とくるまのテクノロジー11】摩擦抵抗や電気抵抗、激減させるケミカル

自動車 ニューモデル モーターショー
【人とくるまのテクノロジー11】摩擦抵抗や電気抵抗、激減させるケミカル
【人とくるまのテクノロジー11】摩擦抵抗や電気抵抗、激減させるケミカル 全 5 枚 拡大写真

ガソリン車の燃費を向上させたり、EVの性能向上を図るには抵抗を減らすことが何より重要だ。車重を軽くしたり、空気抵抗を減らすことはもちろん、転がり抵抗も大きい。

【画像全5枚】

タイヤだけでなく、各部の慴動部には摩擦抵抗が生じているから、それらを軽減するだけでも燃費の向上につながるし、ガソリン車でも電気抵抗を軽減してやるだけで振動が減少したり、燃費やパワーが向上することもある。

そんな抵抗軽減に効果的なアイテムがあることを「人とくるまのテクノロジー展」で再認識させられた。

東洋ドライルーブの『ナノカーボン』は、金属表面にナノレベルのカーボン粒子(粒径15ナノメートルのクラスターダイヤ)を塗ることで接触面の接地面積を向上させて電気抵抗を軽減してくれるケミカル剤。

以前はクルマ用とPC用で若干パッケージが違う商品としてそれぞれのルートで販売されていたが、先頃パッケージを一新しナノカーボンという統一商品名で販売されているという。

ブースでの展示だけでなく、筆者の携帯電話を使って、その効果を試させてもらった。通常、携帯電話のカメラモードはアングルを変更すると画面中の映像はカクカクと動いて、まどろっこしさを感じさせるが、バッテリー端子部分にナノカーボンを塗ると若干ではあるが、画面の動きが滑らかに。外部メモリの端子に塗ると、プレビューの一覧表示が明らかに速くなった。

これは接点表面の微細な凸凹により生じている電気抵抗を解消して本来の抵抗値を取り戻すことで、性能が向上したように感じられるそうだ。

いっぽう、同じ東洋ドライルーブの『ドライルーブ』という表面処理剤は、二硫化モリブデンやテフロン、グラファイト(カーボン)を配合した固体潤滑剤で金属だけでなく、ゴムやプラスチックなどの表面にもコーティングすることで摩擦を大幅に低減してくれるそうだ。

デモでは、クルマのダンパーロッドとシールにコーティングしたものを無処理のダンパーと比較。低圧ガスのツインチューブ式ダンパーは縮めても自己での伸長性が低いので、なかなか元のようにダンパーが伸びないが、ドライルーブを処理したダンパーははるかに速いスピードでダンパーが元のように伸び切った。

クルマの部品にはこのドライルーブで表面処理しているものも多く、樹脂製のアクセルペダルとブラケットは、未処理のものでは十数万回の開閉操作でガタツキが生じたのに対し、ドライルーブで慴動面を処理したペダルは100万回以上の開閉操作でも問題なく使用できたそうだ。

《高根英幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「トランプさん、これ買います」最新の4ドアマッスルカー『チャージャー』発表に「めっちゃかっこいい」と高評価の声
  2. ヤマハのEVスクーター『JOG E』が約16万円で登場!「手に入りやすい」「50ccより安い!」など注目集まる
  3. 「ホンダ、やるな!!」さらに個性を強めた改良版『N-ONE』にSNS興奮! RSの進化に「6MTの660ccは貴重」の声も
  4. 365万円で買えるMINI登場!「土偶みたいな顔しとる」「現実的な価格」などSNSでは反響さまざま
  5. BMWが24車種4万台をリコール…濡れると火災のおそれ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る