【パナソニック ゴリラ CN-GP710VD インプレ前編】ワイドVGAだけじゃない、機能向上への取り組みを見た

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るるぶデータの検索画面。写真アイコンが地域別に配置される。
るるぶデータの検索画面。写真アイコンが地域別に配置される。 全 18 枚 拡大写真

ポータブルナビのトップシェアを持つ『ゴリラ』がパナソニックブランドに生まれ変わって新登場した。2011年の夏に登場した新モデルは13機種を数え、ラインナップも入門機から本格AV機能を持つハイエンドまで、あらゆるニーズに応える品揃えだ。

数ある新モデルのなかでも、特に注目したいのは、従来の『ストラーダポケット』およびゴリラシリーズでは初となるワイドVGA採用モデルの登場だ。今回は最上位モデルの『CN-GP710VD』の使用感を2回にわたってレポートする。

◆液晶テレビのような品質感

手に取った感覚は、筐体の高品質感を特徴にしていたストラーダポケットの印象とも似ている。また画面を取り囲むフレームにハードキーは設置されず、枠の縁も細く、液晶テレビのような品質感を醸し出している。本体の厚みは22mmとスリムだ。電源を入れて画面を表示させると、この高解像感はワイドVGAでなければなしえないレベルだ。画面サイズ3〜4インチの携帯電話やスマートフォンさえワイドVGA以上の解像度を持つのが当たり前なのだから、やはりキメ細かく美しい地図表現を一度知ってしまうとなかなか手放すことはできない。

もうひとつ、印象的なのは秀逸なタッチレスポンスだ。これは従来のゴリラシリーズに共通する美点で、SSDと高速CPUを採用し、メニューの選択から目的地検索、文字入力など、あらゆる場面で“もたつき”や“引っかかり”が一切ないので操作していて気持ちがよい。最近ではiPhoneシリーズに代表されるようなマルチタッチやフリック操作などリッチなUIが浸透してきたが、カーナビのようなシングルタッチでひたすらレスポンスを追求したUIは明快で万人に分かりやすい。

◆ゴリラシリーズの操作UIを踏襲

メニュー回りは黒基調の落ち着いた雰囲気。地図画面にはテレビ・オーディオ機能への「AV」と目的地設定がおこなえる「メニュー」のボタンが表示され、ゴリラシリーズのメニュー体系を踏襲している。目的地メニューは「目的地」「ガイドブック」「ルート」「情報」の4つの大きなボタンがおかれる。このメニューからも分かるようにガイドブックは新シリーズのゴリラにとって大きな売りのひとつだ。

このガイドブック情報はJTBパブリッシングが発行している旅行ガイドブック『るるぶ』から、全国約3万3000件(ガイドブックおよそ約100冊分)の観光スポット情報を収録している。このガイドブックメニューから目的地を設定してみよう。

◆絞り込み・ソートの容易なガイドブック観光スポット情報

ガイドブックメニューではエリア>都道府県>ジャンルで掘っていく。一覧は画像サムネイルで表示され、「50音順」「距離順」の並び替えや「サブジャンル」「サブエリア」での絞り込みも可能。とくに京都や北海道など登録スポットの多い地域ではこれらの絞り込みやソートは便利だ。サムネイルをタッチすれば施設の詳細情報を見ることができる。それぞれ特徴などのコメントや営業時間・電話番号等も記載されており、スポットの場所を地図上に表示させてそのまま目的に設定することも、もちろん可能だ。

自車位置精度はポータブルナビとしてはトップクラスの出来。ジャイロや加速度センサーによりGPSの測位情報を補完する「Gジャイロ」を搭載し、GPS衛星から時刻情報のみを先に取得して現在地を素早く検出する「クイックGPS」を採用するなど、ポータブルで実績を重ねてきたゴリラシリーズならではのノウハウが踏襲されている。またFM-VICSが標準で付属しており、渋滞や規制情報も入手できる。

◆ピンポイント案内で目的地まで安心ナビゲート

案内画面ではワイドVGAを活用したリッチで分かりやすい表現で的確にガイド。交差点や高速道路出入り口/ジャンクションの3Dイラストは画面の2/3を占める大きさで分かりやすく、方面看板やレーン情報などの表示もおこなう。

収録されている地点情報は電話番号が個人宅を含む3850万件、住所が3500万件、名称が850万件、ジャンルが450万件とフルナビとほぼ同等。市街地図も4段階での表示が可能で道幅のデータや歩行専用地図を収録するなど、16GBの大容量高速ストレージをフルに活かしている。

また今回使ってみて初めて気がついたのだが、新モデルから目的地までのピンポイント案内も実現している。これまで同社のナビでは、細街路に目的地がある場合、本線から細街路に入ったところで案内が終了してしまっていたが、新モデルではほぼ完全にドアtoドアでのナビゲーションが実現した。細かな改善ではるが、目的地の周辺でナビが終了して、そこから迷った経験のある筆者などにとっては大変ありがたい機能向上といえる。

《山谷克明》

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