【ドライブレイン ナビエリート インプレ後編】ローカルと通信両面の長所を上手く取り入れた

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渋滞情報を地図上に表示できるだけでなく、その渋滞を回避するルート表示させ、どちらのルートを走るかボタンで選ぶことができる。ここまでVICSを活用しているカーナビアプリはほかにないだろう。
渋滞情報を地図上に表示できるだけでなく、その渋滞を回避するルート表示させ、どちらのルートを走るかボタンで選ぶことができる。ここまでVICSを活用しているカーナビアプリはほかにないだろう。 全 12 枚 拡大写真

ナビエリートはローカルに地図を収めると共に、オンラインで得た情報を案内やルート探索に活用してしている。ここでは2つのポイントに絞って解説しよう。

◆iPhoneアプリならではのメリットを最大限に発揮

まずひとつはオンデマンドVICS。純正ナビでも同様の機能はあるが、オプションのデータ通信モジュールや毎月の通信料金が必要となるため、コストがネック。それに対してナビエリートは追加コストが発生しない標準機能となっている。もちろん渋滞情報に基づいた渋滞回避ルート検索が可能で、表示される到着時刻も単純計算ではなく渋滞を考慮したものだ。

もう一つ、iPhoneアプリならではのメリットが地図データの更新だ。ナビエリートでは地図の更新はアプリのバージョンアップという形で提供される。その頻度は2ヶ月に1回程度となっており、かなり頻繁だ。これまでの実績では、2011年1月に発売され、4月に初めての更新が行われると、その後は5月、6月とほぼ一ヶ月ごとに更新されている。もちろんこれらのバージョンアップは、ナビ購入から1年間という利用期間内であれば全て無料だ。

◆車載ナビとしては一般的でも、アプリとしては異端

iPhoneをカーナビ専用機に変えてしまうのがナビエリートのすごいところであり、最大の特徴でもある。iPhoneが本当にカーナビに変身したと考えれば、その性能、使い心地に死角はない。ガイドのわかりやすさは、ライバルのカーナビアプリより明らかに抜きん出ていると言っていいほどだ。その一方で、カーナビ専用アプリとして割り切った部分も部分もある。

例えば、このアプリは横画面専用で、縦画面では使えない。また、カーナビ専用で、徒歩ナビとしては使えない。スマートフォンのナビとして考えれば、徒歩ナビのモードもあっていいように思う。

さらに、iPhoneとのデータの連携にも対応してほしい。例えば、iPhoneの連絡先アプリにある住所に行きたい時、その住所データをナビエリートに渡す方法がない。これはナビエリートから直接に連絡先を参照できないというだけでなく、コピーアンドペーストも不可能。最新のバージョン1.7で、緯度経度情報をナビエリートに渡すことができるURLスキーマに対応したが、もう一歩進めた形でのデータ連係があればさらに使い勝手が増すだろう。

ほかのカーナビアプリによくある、パソコン向けWebサイトとの連携機能もない。そのため、パソコンで見つけたポイントを転送することも不可能で、やはり手動で入力せざるを得ない。軌跡データをファイルで出力してGoogleアースで表示するといった遊び心のある機能も皆無だ。

iPhoneの機能と連携して使えるのは、iPodで音楽再生できることだ。といってもこれはiPhone側のマルチタスク機能を使って、音楽再生とナビが同時に出来るということだが、NAVIeliteには音声案内が流れるときにiPodの再生音をミュートする機能がある。

◆「もっとできる」と思わせるナビアプリ

要望点もいくつか書いてしまったが、前述のとおりナビエリートをカーナビ専用機としてみた場合の完成度は文句のつけようがなく、それは上記の弱点を補って、なおお釣りが来るほどといっていい。要するに、ナビエリートはほかのiPhoneアプリに例がないほど、機能の割り切りをはっきりした個性派だということだ。

とにかく使いやすいカーナビが欲しいという人なら、ナビエリートは間違いなくおすすめできる。リッチな表現での交差点案内、分かりやすくツボを押さえたUI、的確な音声ガイダンス、詳細で見やすい市街地図、バージョンアップで進化する楽しみも享受できる。「iPhoneアプリでもここまでできる」ことを驚きを持って実感し、「もっとできるはず」と思わせてくれるアプリはそうない。

《山田正昭》

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