【マツダ デミオSKYACTIV 発表】透明感のあるエンジンサウンドを目指した

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マツダ デミオSKYACTIV
マツダ デミオSKYACTIV 全 6 枚 拡大写真

マツダ『デミオ 13-SKYACTIV』のエンジン「SKYACTIV-G(スカイアクティブG)」は、全面新設計のエコエンジン。低回転から高回転まで、全域で雑味の少ない澄んだ音色となるよう、念入りなサウンドチューニングが行われたという。

写真:デミオSKYACTIV

スカイアクティブGは高圧縮比化や大量のクールドEGRによって高いエネルギー効率を実現しているが、それと引き換えに排気量あたりのパワー、トルクは普通のエンジンより低く、そのままでは動力性能が落ちてしまう。マツダはその弱点を、CVTのレスポンス向上によって必要な時にエンジン回転を気前よく上げることで解決を図っている。

今回、デミオ 13-SKYACTIVに箱根で試乗する機会を得た。試乗前にその話を聞いたときは、中高回転域を常用することで車内の騒音、振動が悪化するのではないかと思ったが、実際のドライブではエンジン音が同クラスの中でとりわけ耳障りとなるようには感じられなかった。登り急勾配や加速時には確かにエンジン回転は大きく上昇し、ノイズレベルの絶対値も高まるが、エンジンノイズの音質に耳障りな成分が少なく、ストレスはかなり軽い部類に属する。

「エンジンの騒音、振動のチューニングには、設計の初期段階から相当注意を払いました」

エンジン開発に携わった大槻健氏は語る。エンジンの振動・騒音はゼロにすることはできないが、作り方によって音質をいろいろ変えることができる。ノイズの源はクランクシャフトやカムシャフトの回転、シリンダー内での爆発、排気脈動等々さまざま。それらをどう処理するかによって、音の質が変わってくる。たとえばスポーツエンジンの中には、シリンダーヘッドから金属音をギュンギュン発するようなものもあるが、半分わざとそういう音をさせて古典的な雰囲気を出しているという側面もあるのだ。

スカイアクティブGの場合、できるだけ基本となる回転以外の雑音を消して、澄んだ感じの音作りを目指したという。「騒音の中でかなりのウェイトを占めているものの一つにクランクシャフトのノイズがあります。それ以外の音があまり出ないよう、クランクシャフトとブロックの固有振動数をずらして、互いに音を打ち消しあうようなセッティングをしました」(大槻氏)

エンジン部品には、たとえばトライアングルを打つと決まった音程が出るように、一つ一つ固有の音程、すなわち固有振動数がある。シリンダーブロックを叩いた時の音程とクランクシャフトのそれをどう設定するかによって、騒音の出方がまるで違ってくる。

「クルマのエンジンは運転状況によって回転数が大きく変化します。組み合わせによって、低回転ではよくても高回転で嫌なノイズが出たりといったこともあります。デミオのスカイアクティブGエンジンの開発では、主要部品の設計の段階で固有振動数をいくらにするかということも盛り込みました。その結果、低回転から高回転まで、エンジンノイズを狭い周波数帯の中に追い込んだのです」(大槻氏)

こうした努力の末に得られたというデミオ 13-SKYACTIVの軽やかなエンジンサウンド。試乗の際に意識を払ってみたいポイントのひとつだ。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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