【フォード エクスプローラー 試乗】先入観を払拭する一台…川端由美
試乗記
輸入車

事実、294ps/345Nmを発揮する新開発のV6ユニットの味わいは、高回転域まで回して楽しいモダーンなユニットへと大きく変化した。足周りの変化も大きい。コーナリング時に多少のロールを許容するが、危なげない走りを披露する。
5020×2000×1805mmという巨体にもかかわらず、存外、山道でも俊敏に走れる。テレインマネージメント・システムの採用により、先代モデルで可能なオフロード性能は確保されているという。実際、ぬかるんだ泥道でも、細かな石が混じったスリッパリーな坂道でも難なく登っていける。急な下り坂ではヒルディセント・コントロールを使って、ステアリング操作に集中すればいい。
内外装の質感の高まりも含め、従来のアメリカンSUVに対する先入観を払拭する一台である。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
3列目のアレンジが秀逸。女性の力でも軽々あつかえるような工夫が施されている。
インテリア/居住性:★★★★★
室内のデザインが現代的になり、質感も先代より高まった。シンクなる新コミュニケーションシステムが使いやすい。
パワーソース:★★★★
新開発3.5リットルユニットとマニュアルモードを持つ6速ATの組みあわせにより、出力はV8並を維持しつつ、従来比で燃費を20%も向上。
フットワーク:★★★★
モノコック構造の採用により、ボディの剛性感が大幅に向上。前/マクファーソンストラット、後/マルチリンクの採用により、オンロードの乗り心地は大幅改善。
オススメ度:★★★★
440万円スタートで買える7シーターの輸入SUV。237psを生む2リットル直4ターボの上陸時には、ライバルの『グランドチェロキー』同等のエントリー価格を期待。
川端由美|自動車ジャーナリスト/環境ジャーナリスト
エンジニア、自動車雑誌の編集部員を経て、現在はフリーランス。自動車の環境問題と新技術を中心に、自動車専門メディア、自動車技術誌、ライフスタイル誌、経済誌といった幅広い分野に寄稿する。各国のモーターショーや技術学会を取材する国際派でもある。
《川端由美》