【新聞ウォッチ】スズキ、性格の不一致でVWとの“同棲生活”を解消

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2009年、スズキとVWの提携発表
2009年、スズキとVWの提携発表 全 2 枚 拡大写真

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年9月13日付

●スズキ、VWと提携解消へ、鈴木会長、対等な関係望めず(読売・1、8、9面)

●プリウス国内100万台(読売・9面)

●自動車保険料、東京海上、来年1.7%上げ(読売・9面)

●ユーロ続落一時103円台、10年ぶり水準、株安誘発(読売・9面)

●トヨタにエコカー、ダイハツがOEM、インドネシア(朝日・8面)

●トヨタ長期債務1段階引き下げ,フィッチ(朝日・8面)

●復興財源に温暖化対策税、政府検討(毎日・1面)

●甲子園球場にベンツのEV(産経・10面)

●経産相後任に枝野氏、首相危機感に即戦力(東京・6面)

●自動車用樹脂を増産、三井化学・出光系、不足懸念に対応(日経・15面)

ひとくちコメント

スズキが資本・業務提携していた独フォルクスワーゲン(VW)に、提携の解消を申し入れることを決めた。12日の日経夕刊が報じていたが、スズキは同日午後5時から都内で鈴木修会長らが出席し緊急の記者会見を開いてこれまでの提携関係を説明した。

きょうの各紙は読売、朝日が1面と経済面などに取り上げるなど、わずか1年9か月で破局を迎えたに両社の冷めた関係を詳しく報じている。このうち、朝日は「スズキ、傘下扱い反発、VWと主導権争い、提携もくろみ外れる」として、鈴木会長が「自主独立、絶対に譲れない」との一問一答を取り上げている。会見では「対等な関係」を主張してきたスズキに対して、VW側は経営への関与を強める姿勢を示したことも明らかになった。

また、読売は「提携懲りた」とのタイトルで、「スズキはVWから株を買い取った後は、当面は単独での生き残りを図る姿勢を見せる。環境技術も自前で開発する方針」と報じている。

ただ、日経などによると、VWの広報担当者は「スズキ株を売却する計画はない」との考えを示したという。鈴木会長は、「男女の関係と同じように、またどこで顔を合わせるかわからない。和やかに笑って別れられるように努力したい」と円満解決を期待する。

昨夕行われた1時間余りの緊急会見の中では、いくつかの疑問も浮かび上がった。1つは、VWからエンジン供給を受ける場合、VWはスズキの他社へのOEMを認めない方針を示したため、解消したという。それにもかかわらず、スズキがフィアットからのエンジン調達を決めたのは「契約違反」とVWが判断したことで、今度は、スズキは「はなはだ心外」と激怒し、両社の溝は埋まらなかったという。

それぞれの言い分はともかく、車の心臓部であるエンジンまでもOEM車両に使われるのは如何なものかというVW側の見解にも一理ある。

さらに、VWとは「対等な関係」を主張してきただけに、今回だけは鈴木会長の発言から「中小企業とか浜松の田舎会社」という卑下した言葉がまったくなかったのも異例。途中、興奮気味で説明する同席の原山保人副社長をなだめるシーンもみられたが、「なんでもっと大人の関係で上手くやれなかったのか」と叱咤しているようにも受け取れた。

1年9か月、法定相続人ではなく内縁関係で同棲生活を送ってきた相手との手切れ金交渉など「中小企業のオヤジ」の出番はまだまだ続きそうだ。

《福田俊之》

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