日産のアラウンドビューモニター、移動物検知機能付きに 11月より順次

自動車 テクノロジー 安全
移動物検知機能(リヤビューカメラ)
移動物検知機能(リヤビューカメラ) 全 1 枚 拡大写真

日産自動車は12日、安全技術のひとつ「次世代アラウンドビューモニター」を公開した。

アラウンドビューモニタは自車と周辺を真上から見下ろすような視点でカーナビに映し出すことで死角の認識を補助する技術で、市販車への搭載は日産が世界一番乗りを果たしたという自慢のシステム。現在、ミニバンモデルなどにオプション設定されている。

次世代アラウンドビューモニターの目玉は、人やペット、自転車などを認識してドライバーに存在を知らせる「MOD(移動物検知機能)」だろう。アラウンドビューモニターはクルマの4か所に設置された超広角カメラを利用し、画像処理でそれを上面投影のような映像に変換して表示する仕組みで、その画像処理ソフトに動く物を認識するアルゴリズムを追加することでMODの実装を実現した。基盤技術は昨年発表していたが、今年11月、『エルグランド』に搭載されるのを皮切りに、いよいよ市販車への展開が始まる。

試作機を搭載したクルマに試乗する機会を得たが、駐車場を出るときなどに死角から人が接近しているとすぐに画面上の表示や音でアラートが出され、一発で認識できる。実走行でもリスク回避の可能性は格段に高まると思われた。

駐車場から出るときに全周の状況を常に視認しながら進むのは、日常のドライブの中でも意外に大変なことで、微速でノロノロと動くことで歩行者や自転車が回避行動を取ってくれることを期待するしかない部分もある。駐車場からバックで出たり歩道を横切って車道に出るときなど、交通の途切れを見てエイヤッと出たらいつの間にか自転車が接近していて出会い頭に衝突といった低速時の事故の多さは馬鹿にならない。次世代アラウンドビューモニターはそういった事故を減らす効果が期待できよう。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. 【BYD シーライオン7 新型試乗】全幅1925mmの堂々サイズも「心配無用」、快適性はまさに至れり尽くせり…島崎七生人
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る