【RISCON・SEECAT】福島原発で活躍した特殊車両は廃車

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福島原発で活躍した消防特殊車両
福島原発で活躍した消防特殊車両 全 5 枚 拡大写真

東京ビッグサイト(東京・江東区)で開催中の「危機管理産業展」(RISCON)には、福島原発事故収束に動員された東京消防庁の特殊車両が屋外展示されている。

東京消防庁が出展するのは、屈折放水塔車とホース車と送水車を組み合わせた遠距離大量送水装備。3タイプの車両を組み合わせて、発熱する原子炉の冷却を続けた。

22mの高さから毎分3000Lの注水ができる。リモコンノズルの先端にはカメラがあり、ブーム根本の操作台の液晶モニターで確認しながら遠隔操作で作業ができる。

放水作業を後方で支援するのが、遠距離大量送水装備だ。ホース車延長車と送水車が一組になっている。ホース延長車は1本50mのホースを最大2km分積み、ホースを延ばすためだけに使われる。

車両火災や家屋火災ではホースの敷設は人頼みのところがあるが、50mのホース1本は水が入ると1tの重さになる。

さらに消火作業でいちばん大切な水源確保の可能性を広げるのが、展示中の送水車だ。この送水車には50mの汲み上げ能力があるため、例えば、橋の上から川にホースを投げ入れて水を汲み上げることもできる。福島原発事故ではタンクの淡水が底をつき、海から水を汲み上げた。

しかし、RISCONに展示されているのは、福島原発で活躍した車両ではなく、同じモデル。特に屈折放水塔車は、東京消防庁に大田区、足立区、立川市などに合計5台が配備されていたが、福島第一原発には向かった2台は、除染が難しく原発に留め置かれた。原子炉の冷却装置が新たに構築されたため、現在は出番はない。

この屈折放水塔車の価格は1台7600万円。東京消防庁は時期は未定だが、補充を考えているという。

《中島みなみ》

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