【RISCON・SEECAT】負傷者を支援する特殊車両 消防VS自衛隊

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救急車両はここまでシステマチックになった
救急車両はここまでシステマチックになった 全 2 枚 拡大写真

災害時の救急車は、負傷者を運ぶから医師同乗の応急手当ができる高度救急へと進化している。「危機管理産業展」(RISCON)には、東京消防庁と自衛隊の救急特殊車両が屋外展示されている。

東京消防庁の「スーパーアンビュランス(特殊救急車)」は、全幅2.5mの車幅が左右に広がり、40平方mのスペースを確保。同時に8人に応急措置がとれる。通常の救急車のように搬送が目的ではなく、多数の負傷者や病人が集中する場所で応急救護所として機能するものだ。

これまで44人が死亡した新宿歌舞伎町ビル火災(01年)など都内の大規模災害に対応してきたほか、新潟県中越地震やスマトラ島沖地震でも災害などにも派遣された。この車両は、同庁ハイパーレスキューに2台配備されている。

陸上自衛隊が保有する「野外医療システム2」は、手術車、手術準備車、滅菌補給車の3台で構成される。各社はそれぞれ1tの水と電源車を牽引して現場に赴く。

手術車は減圧ユニットで外気を遮断し、HEPAフィルターにより空気を浄化。手術灯やデジタル処理したX線装置を備え、病院レベルに次ぐ治療環境を整えている。

手術準備車は手術室と連結して臨床検査が行えるほか、麻酔ガスや酸素を手術室に供給する。さらに、滅菌補給車で手術器械などの洗浄や滅菌を行うため、長期の医療体制を維持することができる。

野外医療システムは03年の「イラン国際緊急援助空輸隊」派遣のときにも活用された。阪神淡路大震災でも前タイプのシステムが使われたが、東日本大震災には活用されなかった。

このほか自衛隊の特殊車両は、東日本大震災で被災者の入浴のための大量の水を作り出した浄水システムが展示されている。この車両は、飲用水で3.5t/h、生活用水で6.5t/hの浄水能力があり、1人2.5リットルの最低量を確保することで計算すると、1日2万8000人分の供給ができる。

《中島みなみ》

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