気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2011年10月26日付
●NY円最高値75円73銭(読売・1面)
●ひと:マツダ・山内孝社長「ロータリー復活に意欲」(読売・8面)
●ホンダは軽特別車発売延期(読売・8面)
●VW、スズキに提携継続求める(読売・8面)
●NHK受信料120円下げ、来年10月から、経営委で決着(朝日・7面)
●マツダ、ディーゼル車「エコ」で復活(朝日・11面)
●「自転車は車道」通達、歩道走行、原則禁止、幅3メートル未満、警察庁が対策強化(毎日・1面)
●「買収で1200億円損失」オリンパス前社長、経営陣追及へ(毎日・8面)
●タイ洪水、国内減産広がる影響、部品供給代替余力なく(毎日・8面)
●トルコ地震死者432人、なお不明多数(産経・1面)
●東電、豊田通商に風力発電子会社株売却(産経・10面)
●TPP、“頂上”会談平行線(東京・7面)
●タイ洪水企業収益に影、自動車・鉄鋼国内生産にも波及、首都中心、浸水の恐れ(日経・1面)
●自転車専用のナビ、パイオニア、来年国内投入(日経・13面)
●中日本高速社員逮捕へ、測量費名目で現金、1億円脱税容疑(日経・43面)
ひとくちコメント
円相場がまた戦後最高値を更新した。25日のニューヨーク外国為替市場で円相場が一時、1ドル=75円73銭まで上昇し、先週末の21日につけた記録をわずか2営業日であっさりと塗り替えたことになる。
きょうの各紙も「また」とか「再び」といった表現が目立つが、今年に入って過去最高値を更新したのは4回目。最初の更新は東日本大震災後の3月17日で、76円25銭に上昇。しばらく80円前後を行ったり来たりしていたが、8月19日には75円95銭まで上昇し、先週21日には75円78銭と再び更新した。
今回の円最高値更新は「欧州の財政危機の不透明感に加えて、25日朝方に発表されたアメリカの住宅や消費者心理といった経済指標が市場の予想よりも悪かったことから、景気の先行き不安が広がったため」と専門家は分析する。
では、「歴史的な円高」に歯止めはかからないのか。きょうの毎日は「“超円高”長引く懸念」との見出しで、「市場では、政府・日銀が円売り・ドル買いの為替介入や追加の金融緩和を打ち出さなければ、円高に歯止めがかからないとの危機感が強まっている」と指摘。読売も「政府・日銀は市場介入を含めた決断を迫られている」と警告する。
しかし、円高が加速すると日本の輸出産業にとって大きな打撃となるのは指摘するまでもない。このため、政府・日本銀行は「急激な円高は日本経済に悪影響を及ぼす」と決まり文句を並べるが、日産自動車のカルロス・ゴーン社長は今年3回目の最高値更新時には、「言葉だけではダメ」と苦言を呈しながらも、この水準では「完全に空洞化になってしまう」と半ばあきらめ顔で述べていたのが印象的だった。今年も残り2か月余り。「また」とか「再び」という活字をどれだけ目にするのだろうか。