【東京モーターショー11】マツダ TAKERI…NAGAREからさらに高みへ

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マツダ 雄(TAKERI)
マツダ 雄(TAKERI) 全 8 枚 拡大写真

マツダが第42回東京モーターショーに出品している『雄(TAKERI)』は、『靱(SHINARI)』に続き、“魂動”(KODO)デザインを具現化したコンセプトカーである。

これまでマツダのデザインは “NAGARE”デザインなど、さまざまな“動き”のある造形を模索してきた。そして昨年発表したコンセプトカーSHINARIから、魂動というデザインランゲージで新たなステップに踏み出している。

今回発表したTAKERIは、この魂動デザインをセダンで具現化したものである。「SHINARIが4ドアクーペであることから、今回はCDセグメントのセダンにトライしました」と話すのはデザイン本部チーフデザイナーの玉谷聡さん。

「マツダがセダンを作るのであれば、いわゆるコンベンショナルなセダンではないと考えていました。セダンらしさはきちんと残しながら、とにかく飛びぬけたスポーティさを出したいことと、SHINARIでトライした魂動デザインを、セダンでもトライするのが、マツダデザインの意義だと考えたのです」

魂動デザインは、それまでのNAGAREデザインから、どのような変革があったのか。玉谷さんは、「NAGAREデザインの前に“アスレチック”というデザインワードがありました。そこでは、俊敏さや、研ぎ澄まされた感じなどの骨格をまず表現しようとしていました。そして、NAGAREデザインでは、そこに乗せていくテクスチャ、つまり面質に自然界にある割と受動的な美しさ、例えば砂漠の風紋であるとか、風にきれいに揺らぐシルクのカーテンのようなものをキャプチャーしました。そこで得たものはサーフェスコントロールのノウハウだったのです」と述懐する。

魂動(KODO)デザインは、根本的に違うという。「これまで培ってきたものをベースとして、より能動的な意思のある動きを表現しようとしているのです」という。

「例えば、チーターが飛びかかったり、野生の動物が飛び立ったり走ったりする、その瞬間の動きの中に意思がある、その一瞬をキャプチャーしたいというのが魂動の趣旨です。すごく生き生きした動きを表現したい。それが表面的な動きではなく、中から意思を持って全身で動き出す、そういうものを表現したものが魂動デザインなのです」。

つまり、これまでの骨格の表現や、静的な表現で得たサーフェスコントロールのノウハウなどを生かしながら、より、動的な表現にトライしているのだ。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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