本田技術研究所ミーティング…フィットEVの電気ブレーキ

エコカー EV
ホンダ・フィットEV(ロサンゼルスモーターショー11)
ホンダ・フィットEV(ロサンゼルスモーターショー11) 全 17 枚 拡大写真

ホンダが12月5日に開催したジャーナリスト向けの技術披露会。試乗コースのツインリンクもてぎには、ハイブリッドカー(HEV)、プライグインハイブリッドカー(PHEV)、純電気自動車(EV)など、開発中の電動車両が多数持ち込まれた。

[写真17点]

北米で先行発表され、東京モーターショー会場にもお目見えしている『フィットEV』は、7月に埼玉・和光で行われたプロトタイプ試乗会の時よりも洗練度を格段に増して登場した。最大の変更点はブレーキ。新ブレーキの名称は「電動サーボブレーキ」。名前はいかにも平凡で、単なる電磁ブレーキか何かのような印象を受けるが、実は0km/hぎりぎりまでモーターの発電による抗力だけで停止するという驚きの新システムである。

燃料電池車『FCXクラリティ』を作ったことで知られる開発責任者の藤本幸人氏は「電気モーターの回生能力を超えないかぎりは、基本的にディスクブレーキをまったく使わずに減速できるようになったため、運動エネルギーの回生量を大幅に増やせました。機械ブレーキが必要になったときだけ、瞬時にブレーキが切り替わるようになっています」と語る。

このブレーキのチューニングは市販に耐えるレベルにまで熟成が進んでいる。実は筆者がブレーキシステムの概要について知ったのは試乗後で、運転しているときは「機械、電気の協調回生ブレーキもずいぶん自然になったものだなあ」というくらいにしか感じられず、てっきり機械ブレーキも同時に効いているのだとばかり思っていたほどだ。

新型フィットEVの電力消費率はアメリカのEPA審査値で29kWh/100km。これはライバルである日産『リーフ』の34kWh/100kmを大幅に上回る値で、4人乗りの量産乗用EVとしては世界トップである。バッテリー容量20kWhと同クラスのモデルに比べて小さめながら、航続距離もJC08モード走行時で210kmと足は長い。回生ブレーキがそのロングレンジ、低電費に相当貢献していることは間違いない。

走行フィールも結構変わった。モーター出力92kWというスペックはプロトタイプとほぼ同じだが、乱暴にドンとトルクが立ち上がるのではなく、湧き上がるような加速感である。フィットEVにはハイブリッドカー『CR-Z』のようにエコノミー、ノーマル、スポーツの3つのパワーモードスイッチが備えられているが、スポーツを選択したときの加速は相当にスポーティだった。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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