【2011年10大ニュース座談会】その2 「サプライチェーン」がキーワードになった

自動車 社会 社会
タイの洪水被害で、国交省派遣のポンプ車は排水作業を行なった
タイの洪水被害で、国交省派遣のポンプ車は排水作業を行なった 全 6 枚 拡大写真
2
 「サプライチェーン」という単語がキーワードになった

 二次選考(順不同)
●サプライチェーンでの被害
●スズキVW騒動
●高速料金(距離別、有料化)
●第三のエコカー
●東京モーターショー
●税金・補助金
●自転車(混乱、増殖)
●トヨタ新提携
●超円高
●高速新料金
●EV
●東日本大震災
●原発事故

高木---震災と原発を入れて12項目。すんなりとまとまりましたね。

宮崎---ここから各項目について、とりあえず順位を定めずに話していきましょうか。編集部メンバーのほか、原発関連のニュースを執筆した中島みなみさんと、保険関係のニュースを執筆した小松哲也さんにも加わっていただきます。

石田---とりあえず書き出した順番にいきますか? まずは「サプライチェーンでの被害」から。

高木---サプライチェーンが災害に見舞われて、部品供給が途切れるというのは新潟中越地震で経験しているけど、そのときはピストンリングぐらいでした。ところが今回は規模が大きくなってしまい、「寸断」と言っていい状態になってしまった。

中島---東日本大震災だけでなく、その半年後にタイの洪水も起きるというダブルショック状態。

三浦---サプライチェーンはティア1、ティア2と続くけど、どのメーカーも「安く作る(調達する)」ということに主眼を置いていて、それらがすべて寸断する事態は想定していなかった。

宮崎---ティアが複雑化して、どこに問題があるのかわかっていなかったし、部品の安価調達を第一の目的としてしまったことが招いた事態ですね。

小松---リスクヘッジしていない部分が今回の震災や洪水で明らかになりましたね。

宮崎---グローバルな時代ですが、グローバルで日本の部品メーカーに頼っているところが多かった。

高木---東北地方は我々が考えている以上に、基幹部品を製造としている工場が多かったんだよねえ。

中島---震災で影響を受けたのは日本とタイの一地方に過ぎないというのに、影響が世界規模になってしまった。

高木---次に行きましょうか。書いた順番どおりだと次は「スズキVW騒動」ですね。

三浦---調停状態だから、まさに騒動だよね。これって、どっちが女性なのかね。

石田---えー、これを擬人化しちゃいますか?

宮崎---スズキは別にカネ目当てというわけではないんですよね。

三浦---スズキはやっぱり女性なんじゃないの?「あなたは私に自由にさせてくれるって言ったじゃない。そんなに束縛するとは思わなかった…」みたいに。

宮崎---まあ、それに近い状況なんですかね。スズキはVWの技術が魅力的だったけど、VWもそれを見せるとは言っていないし。

三浦---「結婚するならそれぐらいガマンしろよ、それが結婚生活だよ」みたいな?

石田---スズキのワガママみたいにも見られちゃっていますし…。

高木---どんどん行きましょう、次は高速道路料金。

中島---高速道路の無料化断念というより、気持ち的には「ETC完全義務化…へ」なんですよね。今までETCというのは「割引を受けるためのツール」だったのが、首都高の距離別料金制度の導入によって「ETCを装着していることが前提」となってくる。

三浦---首都高の距離別料金制度って、いつから?

石田---2012年1月1日からですね。近距離での利用がしやすくなったり、東京線や神奈川線といった区別が無くなるので、両線をまたいでの利用は安くなったりもします。

宮崎---従来は700円で済んでた区間もあるので、値上げになるケースも出てきます。

三浦---何でこの時期?

中島---従来から決まっていたからですね。

土屋---もっと注目されたり、世間的に騒がれたりすることがあって当然と思うのに、なぜかまったく騒がれていませんね。

高木---首都高だからねえ。

石田---渋滞するのが当たり前の道路に通行料を支払ってきたわけだし、特にETCは現金のやりとりがあるわけでもないので、値上げ意識も薄いというか。

中島---一般の高速道路も通行料で支えることになったので、事実上の「無料化断念」ですよね。

石田---民主党がマニフェストで掲げていた項目が次々と断念せざるを得ない状況にあるわけですが、これもそのひとつです。

小松---無料だ、1000円だと勢いはよかったのにね。

三浦---まあ、落ち着くところに落ち着いたって感じなんじゃないの?

(つづく)

■3月11日以降が「2011年」

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 世界初の「破壊不可能ホイール」って何だ!? テスラ向けパーツ手掛ける米メーカーが開発
  2. 待望の新型スズキ『GSX-R1000R』が予告なしの初公開!「3色3様」往年のレーシングカラーで日本市場復活へ
  3. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  4. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  5. 「盤石シャシー」に「戦甲車体」採用、ワイルドすぎるオフロードSUVが1時間で9700台受注の人気に
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る