【新聞ウォッチ】新春スペシャル、難問山積の2012年…オウム平田容疑者逮捕、ユーロ100円割れ、トヨタはドラえもんで Re BORN

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2012年1月5日付

未曾有の大震災、原発事故、そして記録的な超円高と、戦後最大の国難に遭遇した試練の年がようやく終わって、新しい年の2012年が明けた。しかし、多くの難問は残されたままで、お屠蘇気分とはほど遠く、いつもの年にも増して、身の引き締まる思いがする。皆さんは元旦をどんな気持ちで迎えられたのだろうか。

さて、元日の紙面をみると各紙の1面トップ記事はバラバラ。ただ、新年早々に飛び込んできたのは「オウム平田容疑者逮捕」という仰天ニュースだった。平田容疑者が警視庁丸の内署に出頭したのは大みそか、除夜の鐘直前。しかも、その前に訪れた警視庁本部では警戒中の機動隊員が取り合わなかったというお粗末ぶり。このため、元日の紙面の締め切りには間に合わず、2日の休刊日を挟んで、各紙が取り上げたのは3日の朝刊。新聞は「3日遅れのニュース」を載せるハメとなってしまった。

年末年始の紙面で気になったのは、12月30日のロンドン外国為替市場で、欧州債務危機に対する不安が強まり、ユーロ売りが加速、1ユーロ=99円台まで上昇。2000年12月中旬以来、約11年ぶりに100円の大台を割り込んだ。また、昨年の円相場の年間平均は1ドル=79円73銭。1年で8円もの円高が進行したことになる。(31日=東京など各紙)

一方で、東京株式市場は大納会の30日の日経平均株価終値が8455円35銭となり、大納会の終値としては、バブル崩壊後の1982年以来29年ぶりの安値水準となった。年が明けて4日の大発会では、米国市場で株価が上がったため、日経平均株価も上昇して8500円台を回復したが、干支の辰にふさわしい「昇竜相場」となるかどうか。

新年最初の元日の紙面は、テレビ・ラジオ面などが別刷りの特集で、本紙を含めるとボリュームたっぷりだが、総ページ数では読売と朝日が104ページ、日経が102ページ。産経は80ページ、毎日が76ページ、東京は68ページと、各紙ともばらついていた。

今夏開催のロンドン五輪を取り上げた読売や朝日の別刷りのスポーツ面を日本マクドナルドが独占スポンサーになっていたのには驚いたが、本紙では、昨年に続き日立グループが見開き2ページのカラー全面広告を掲載。自動車メーカーでは日産自動車が「日産リーフは、1年で2万台。電気自動車に賛同する人々の輪を、世界に広げたい」というコピーで『リーフ』をアピール。

それよりも興味深いのは、トヨタ自動車だった。東京モーターショーの会場でもお馴染みだった「Re BORN」「FUN TO DRIVE,AGAIN」を掲げて、トヨタという会社名は使わず、エンブレムのマークだけ。しかも、全面広告の図柄も4つのパターンを各紙ごとに分けて掲載した。例えば、朝日は漫画の「ドラえもん」の大きな顔写真。同じドラえもんシリーズでも産経はドラえもん役の国際的映画俳優のジャン・レノ。毎日と東京は、ジャン・レノに加えて、のび太役の妻夫木聡とのツーショット。

さらに、読売と日経はテレビCMにも流れている豊臣秀吉役のビートたけしと織田信長役の木村拓哉が共演。「息を吹き返すたび、強くなっていった国.それが私たち日本だと思う」というコピーで、日本の復興を訴えた。ダイハツは3日の各紙に「1、富士2、シカ、3のエコカー」という駄洒落のコピーで「大初夢フェア」の告知広告を掲載した。

今年もホンダは5日までの広告掲載は見送られたが、元日の日経には、伊東孝紳社長が「'12戦略そこが知りたい」という連載企画のトップバッターとして登場。「グローバル競争を勝ち抜くためにクルマ作りを根本から見直す」と語っていた。産経にも「ホンダも第3のエコカー、来年にも発売 環境対応車を網羅」と、「他社に先行し、全ジャンルの環境対応車を手がけることになる」と伝えたが、いずれもインパクトには欠けていた。

このほか、自動車関連の記事では、「12年、注目の経営者にトヨタ社長」と米紙ウォールストリート・ジャーナルが2012年に注目する「世界の経営者12人」を発表。12月31日付の東京などが取り上げたほか、「スズキ、インドネシアに新工場、300億円投資、エンジン年10万基」(4日=日経朝刊)などが目を引いた。

毎年恒例の経営者による「2012年景気・株価見通し」は読売と日経が3日付で掲載。今年も自動車業界から日経はスズキの鈴木会長兼社長が回答。実質成長率について「海外経済の減速から本格回復には至らない。復興需要により、成長率は一時的に押し上げられる」と答えている。読売は自動車業界で鈴木会長と日産の志賀俊之COOが回答者。対ドル円相場を鈴木会長は75~80円と予測。また、日経平均株価を8000~9500円と回答したが、志賀COOは、今年も為替と株価、それに野田政権への注文も「無回答」。わずか7問中、3問が回答なしだった。

その志賀COOについては、日経の4日朝刊の「2012年トップ人事を占う」で「今年4月でCOO就任か満7年。日本自動車工業会の会長も任期を終える。若返りの観点から後進に道を譲るとの見方もある」と報じた。COOの人事を取り沙汰するのも珍しいが、自動車業界では三菱自動車の益子修社長もトップの在籍が長いが、「経営再建をけん引してきた同社長の続投を望む声は根強い」と日経が予測。サプライズは期待できないようだ。

世界に目を向けると、2012年はオバマ大統領をはじめ、世界のリーダーの交代や再選が予想されているが、わが国のドジョウ総理は、「ネバー、ネバー、ネバー、ネバーギブアップ」らしい。

《福田俊之》

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