気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊（朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版）から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2012年1月11日付
●米の2見本市技術激突、家電・注目テレビは韓国製、車・人気モデルのEV、HV、日本勢スポーツカーHV（読売・9面）
●学ぼう、片山右京さん、心に響く言葉ボソボソと（読売・23面）
●官民連携、インド始動、インフラ「街ごと」輸出、経産相が視察、チェンナイの日産工場（朝日・9面）
●高速道二酸化窒素にご用心、空調「外気導入」で車内に、環境基準超す濃度、東大チーム調査（毎日・2面）
●中国、自動車保有台数1億台を突破（毎日・7面）
●インド新車販売329万台、昨年8.5％増と過去最高（毎日・7面）
●VW、世界2位、新車販売初の800万台超え（産経・12面）
●北米自動車ショー、エコで日本に挑戦状、復活のビッグ3反転攻勢（産経・12面）
●中国独自ブランド車、外資に押され失速（日経・6面）
●ガソリン価格、2週連続下落（日経・9面）
●メキシコ新工場「数週間で決定」日産社長（日経・10面）
ひとくちコメント
年が明けて自動車メーカー各社は2011年の新車販売台数を相次いで発表しているが、独自動車大手フォルクスワーゲン（VW）によると、2011年通年のグループの世界新車販売台数（乗用車）は前年比14％増の816万台と初めて800万台を突破したという。現時点では未発表だが、1年の世界販売を790万台と見込むトヨタ自動車グループを抜き、900万台前後の米ゼネラル・モーターズ（GM）に次ぐ世界2位に浮上した模様である。
10日付の毎日、日経などが夕刊で速報、きょうも産経などが報じている。それによると、VWが好調に販売台数を伸ばしたのは、中国での販売台数が17％増の225万台とお膝元のドイツ（11％増の115万台）の約2倍に達したほか、昨年約20年ぶりに現地生産を再開した米国は23％増の44万台、インドでも2倍に伸ばしたという。
VWグループは2018年に「1000万台を達成、世界の頂点に立つ」という経営目標を掲げているが、経営破綻から復活を遂げて首位に返り咲いたGMの射程距離内にまで、早くも接近している。
欧州債務危機の不安から100円割れのユーロ安も低価格の小型車やエコカー開発で競合する日系メーカーにとっても脅威な存在だ。提携解消で法廷闘争に持ち込んだスズキとは、長期戦も辞さない構えのようだが、世界一を虎視眈々と狙うVWのしたたかな戦術には今年も要注意だ。
