【CES 12】基調講演はダイムラー会長…ドライブのデジタル化

自動車 ビジネス 企業動向
講演は3つのチャプターに分けて行われた
講演は3つのチャプターに分けて行われた 全 7 枚 拡大写真
CES2012で注目なのは世界で名だたる自動車メーカーの代表が基調講演を行うこと。10日には、ラスベガスヒルトンシアターにおいて、ディーター・ツェッチェ ダイムラーAG取締役会会長兼メルセデスベンツヘッドによる講演が行われた。

壇上にはスマートのEVや、近未来のコンセプトカーが置かれ、これを題材に講演は進められた。

氏はまず、この日壇上に上がった理由を説明「乗り物におけるメルセデスベンツがいかに革新的なのかを強調するため」だと語った。また、「クルマとデジタルライフの融合により、ドライブのスタイルは急速にデジタル化しており、今はその持続性が最大の課題になっている」とも話す。

「メルセデスベンツはクルマにおける独立性をいち早く宣言。それは時間やスピーチ、アクセス自由、さらにはエネルギーや情報の自由をもたらす。メルセデスベンツはその実現のために、より多くの楽しみをもたらし、運転がより安全でより賢く効率的なものに注力してきた」とも語った。

講演では、電気自動車を使ったカーシェアリングプログラム「Car2Go」についても言及した。サービスはすでにアメリカ・サンディエゴやオランダ/アムステルダムなどで展開中で、2012年はさらに12都市でスタートさせる予定。

氏はここで「将来は同じタイプのクルマを世界的にどこでも乗れる時代が来る。石油時代の後に来るクルマのモビリティがそこにある」との認識を示した。

さらにスマートグリッドも採り上げられた。

それによると「この分野は今後が期待できるが、地域によっては必ずしもいつも太陽がさんさんと注がれているわけではない。エネルギーが足りないこともあるだろう。水素燃料を使うことはそうした状況に陥ることを防ぐことにもなる。メルセデスはカリフォルニアには研究所が持ち、そこではこの利用方法について徹底した研究が行われているところだ」との説明もあった。

通信の自由化も重要なポイントで「たとえば交通システム同士で互いに情報をやりとりして互いの存在を認識する。それが自由にできるようになれば究極のオートモビリティが完成。ソフトウェアの革新があればもっと効率的なドライブが可能になるだろう」と説明。ドイツではすでにこの分野でのインフラ整備が始まっており、「難易度がどの程度なのかを検証しているところ」との紹介も行われた。

そうした近未来のクルマの需給バランスにも話は広がる。

「世界にはこうしたシステムを使いたいユーザーも多く、人口が多く著しいクルマの所有が始まっている中国ではその実験を行うのに適している。アメリカやヨーロッパで車両は作られており、今後もクルマの質を高める役割を担っていく。これはビジネスチャンスにもつながる重要ポイント」との認識を示した。

結びとして氏が語ったのは「オートモビリティの実現には、クルマの運転が楽しく、機能が高く心躍る要素が必要だ。何としてもクルマに乗ろう、そう思わせる車作りがいつの時代も重要なのだ」その言葉には、時代が変わろうともユーザーが乗りたくなるような車作りを忘れてはならないとのメッセージを感じた。

《会田肇》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  2. 三菱『エクリプス クロス』新型、航続600kmのEVに…ルノーからOEM供給へ
  3. 一人乗りマイクロEV「EQV-TREK」発売、355kgの軽量ボディで航続110km…107万8000円から
  4. 空冷ポルシェで1台2億円!? マニア垂涎『シンガー911 DLS』とは
  5. メルセデスベンツ、3年間で40車種以上投入へ…次期『Cクラス』は2026年春生産開始
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る