日本鉄鋼連盟の林田英治会長は1月25日の定例会長会見で、大手自動車メーカーとの価格交渉で値下げを迫られていることについて、JFEスチール社長としての立場でと断った上で「原料が下がっている分を還元するのは方針通り」と述べ、価格引き下げ交渉に理解を示した。
新日本製鐵とトヨタ自動車が2011年度下期の鋼材価格を1t当たり5000円、5%引き下げることで合意した。業界最大手同士が鋼材価格の引き下げで合意したため、他社も引き下げで追随するのは確実。
林田会長は「一般的に原料が上がって価格に反映させている中で、原料価格が下がっている過程ではその分をお返しするのは我々の業界の慣例」と述べた。また「円高で自動車も輸出競争力が厳しいが、我々も(鋼材の)輸出が減って厳しいので、そこはお互い同じ」とした上で「今後、個別に話して一つ一つ値段を決めていく」と述べ、価格引き下げを容認する姿勢を示した。