【フォード エクスプローラー エコブースト 試乗】史上最高のダウンサイジング…森口将之

試乗記 輸入車
フォード エクスプローラー XLT エコブースト
フォード エクスプローラー XLT エコブースト 全 12 枚 拡大写真

今にして思えば、新型『エクスプローラー』がモノコックボディや横置きパワートレインといった改革に討って出たのは、このエコブーストを迎え入れるためだったのかもしれない。たった2リットルの直噴ターボエンジンが、全長5m以上、全幅ちょうど2m、車両重量約2tの巨体を難なく動かす事実を知って、そんな印象を抱いた。

【画像全12枚】

しかもただ動くだけじゃない。加速は既存の3.5リットルV6以上に思えるほど。流れに乗って走る限り、タコメーターの針は2000rpmを上回ることはない。おまけに静か。たった1600rpmでこなす100km/h巡航はもちろん、4000rpmまで回してもエンジン音がほとんど聞こえない。V8だと言われたら信じてしまいそうなほどの余裕だ。

これまで乗った多くのダウンサイジング車は、急加速で「やっぱり4気筒だなあ」と感じたけれど、エコブーストは数少ない例外だった。V6の35.2kgmを上回る37.3kgmの最大トルクを、1000rpm低い3000rpmで発揮することが大きい。しかも燃費はおとなしく走れば楽に10km/リットルを超える。史上最高のダウンサイジングでは?と思ったほどだ。

4WDだったV6に対し、前輪駆動とすることで110kg軽量化(XLTグレード比)したおかげか、乗り心地は少しだけ締まったフィーリング。でも高速でのフワフワ感がないだけ、こっちのほうがいいと思う人もいるだろう。大柄なボディを感じさせない、軽快な身のこなしもエコブーストの美点。それでいて高速道路はアメリカ車の美点どおり、どっしり直進し続けてくれる。
 
フォードによればこのエコブースト、ディーゼルのテクノロジーを流用したとのこと。アメリカとヨーロッパの双方に開発拠点を持っていて、双方の技術を組み合わせてクルマを生み出せるという欧米技術のいいとこどりが、最高の形で結実している。他社に先駆けてグローバル化を推し進めてきたフォードの底力を感じる1台だった。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

森口将之|モータージャーナリスト
試乗会以外でヨーロッパに足を運ぶことも多く、自動車以外を含めた欧州の交通事情にも精通している。雑誌、インターネット、ラジオなどさまざまなメディアで活動中。著書に『クルマ社会のリ・デザイン』(共著)、『パリ流 環境社会への挑戦』など。

《森口将之》

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