低血糖起因の意識障害による8人死傷、注射の有無で真っ向対決

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昨年8月、茨城県水戸市内で8人が死傷した多重衝突事故を起こしたとして、自動車運転過失致死傷罪に問われた68歳の男に対する初公判が17日、水戸地裁で開かれた。男は事故を起こしたことを認めたが、低血糖の治療について一部否認している。

問題の事故は2011年8月6日午後7時10分ごろ発生している。水戸市河和田付近の国道50号(片側2車線の直線区間)で、減速しないまま高速度で進行してきた乗用車が、信号待ちの車列最後部に位置していた軽乗用車に追突。軽乗用車は前方に押し出され、前に止まっていたマイクロバスの下に潜り込むようにして大破。さらに前方にいた乗用車も巻き込まれるなど、車両4台が関係する多重衝突に発展した。この事故で軽乗用車側の3人が死傷、マイクロバスや乗用車の5人が軽傷を負った。

追突車を運転していた67歳(当時)の男も頭部強打の重傷を負ったが、後の調べで糖尿病に患っていたことが判明。低血糖による意識障害の症状があり、約10年前から自分でインスリン摂取(注射)を行っていたこともわかった。警察では「事故直前には意識障害を起こしていた」と判断。自動車運転過失致死傷容疑で逮捕し、検察も同罪で起訴していた。

17日に行われた初公判で、被告の男は事故を起こしたことについては認めたが、「事故直前にインスリン注射は行っていない」と主張した。

これに続いて行われた冒頭陳述で検察側は「被告は主治医から朝夕の2回、食事前に血糖値を自ら測定し、インスリン注射を行うように指導されていた」、「注射後には必ず食事も行うことを厳しく指導されていた」と指摘。「事故当日はインスリン注射を行ったものの、食事を取らないまま外出。低血糖によって意識を失い、事故を起こした」と主張した。

これに対して弁護側は「被告はインスリン注射を行っておらず、事故の予見性はない」と主張。インスリン注射の有無で真っ向から争うこととなった。

《石田真一》

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