てんかん発作での死傷事故、被告側の控訴を棄却

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2010年12月、三重県四日市市内で踏切待ちをしていた自転車に対してクルマで突っ込み、3人を死傷させたとして、自動車運転過失致死傷罪に問われた47歳の男に対する控訴審判決公判が10日、名古屋高裁で開かれた。裁判所は一審判決を支持。被告側控訴を棄却した。

問題の事故は2010年12月30日の午後1時30分ごろ発生している。四日市市羽津町付近にある近鉄名古屋線の踏切で、踏切待ちをしていた3台の自転車に対し、後ろから減速しないまま進行してきた乗用車が追突。自転車はクルマに押されるようにして線路内へ進入し、直後に通過した下り急行列車と衝突した。

この事故で40歳と23歳の男性が死亡。22歳の男性が軽傷を負った。警察はクルマを運転していた46歳の男を自動車運転過失致死傷や過失往来危険容疑で逮捕したが、後の調べで持病のてんかん発作を事故時に起こしており、意識を失った状態で自転車に突っ込んだことが判明している。

被告側は「これまでのてんかん発作は夜中に発生しており、昼間に発生することは予見性がなかった」と主張。これに対して検察側は「被告は投薬治療を受けており、主治医からも運転時に発作が起こる危険性を指摘されていた」と主張してきたが、一審の津地裁四日市支部は検察側を支持。被告に対して禁錮2年10か月の実刑を命じていたが、被告側はこれを不服として控訴していた。

10日に開かれた控訴審判決公判で、名古屋高裁の志田洋裁判長は被告が事故前の約2年間に20回程度のてんかん発作を起こしていたことを指摘。クルマを運転中に意識を失う可能性についても「容易に予見できた」と認定し、一審判決を支持。被告側の控訴を棄却している。

《石田真一》

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