気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2012年5月22日付
●半導体ルネサス6000人削減、500億円増資要請へ(読売・1面)
●スカイツリーきょう開業 下町の天空競演(読売・1面)
●日産が倍増計画、ロシア工場の生産能力(朝日・9面)
●自動車保険中国を開拓 大手損保自賠責の外資系開放で(産経・10面)
●節電の夏、6割省エネLEDパナソニック(東京・7面)
●戦闘機風EVで参戦、普及協、登山カーレースに(東京・7面)
●電力、ピーク時割高広がる、家庭向け関電、夜間の6倍(日経・1面)
●パナソニック、節電対策夏休み2倍、秋の休業前倒し、まず関西の拠点(日経・3面)
●ホンダ、中国で7割増産、多目的スポーツ車,苦戦市場テコ入れ(日経・11面)
●車部34社、営業益27%増、今期、利益率は震災前に届かず(日経・15面)
●浜ゴム,コスト削減、3年間で300億円以上(日経・15面)
ひとくちコメント
日産自動車が成長著しいロシア市場での具体的な攻略法を明らかにした。モスクワを訪問中のコリン・ドッジ副社長がロシア事業を大幅に強化する計画を発表したもので、きょうの朝日、日経などが取り上げている。
それによると、1億6700万ユーロ(約170億円)を投じ、2014年をめどにサンクトペテルブルク工場の生産能力を現在の2倍となる年10万台に倍増。資本参加したロシア自動車大手アフトワズの工場も活用して現地生産を増強し、2016年度のロシアでの日産車の販売を11年度実績の3倍となる50万台程度に引き上げる方針。
サンクトペテルブルク工場は現在、セダン「ティアナ」、SUV(スポーツ用多目的車)「エクストレイル」「ムラーノ」の3車種を生産中。プレス・樹脂などの新しいラインを新設し、生産能力を倍増させるほか、英国サンダーランド工場で生産しているSUV「キャシュカイ」もロシアでの生産を開始する計画だという。
さらに、アフトワズの工場で、低価格ブランドとして復活した「ダットサン」の生産にも乗り出す。その結果、2016年には欧州全体の販売の3割程度をロシアで担い、現地生産比率を8割に引き上げるなど現地化を加速させる。
きょうの日経の「企業総合」面には「日産、ロシアでの現地生産比率8割に上げ」と3段見出しの下に、同じ大きさで「ホンダ、中国で多目的スポーツ車7割増産、苦戦市場テコ入れ」とある。苦戦する中国市場の巻き返しを狙うホンダに対し、今後の成長が大いに期待できるロシアでの攻略法を早くも発表する日産。両社のスピード感の違いが読み取れる。