国民生活センター、線量計6製品のテスト結果公表

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 国民生活センターは24日、一般の市場で販売されている「デジタル式個人線量計」6銘柄について、正確に測定できているかのテストを行うとともに、その販売広告や取扱説明書等について調査した結果を公表した。

 昨年の東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、放射線を検知・計測する機器を消費者個人で購入するケースが増えているが、もともとは放射線業務従事者個人の被ばくした積算線量を把握・管理することが本来の目的とされた「個人線量計」も含まれている。PIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)には、主に空間における時間当たりの線量率を測定する「放射線測定器」と、主に個人線量当量を測定する「個人線量計」が混同されている事例が多くみられ、「放射線測定器」に関連する相談は合計806件寄せられている(2011年3月11日以降受付~2012年4月30日登録分)。

 今回の調査では、2012年1月に大手インターネットショッピングサイトである「楽天市場」「Amazon.co.jp」「Yahoo!ショッピング」において、“個人線量計”というキーワードで検索した際に上位に表示されていたもののなかから、積算線量を測定することが可能で、その測定値をデジタル表示で直接読み取ることができ、クリップやストラップ等により個人が装着して携帯可能なもの6銘柄を選びテスト対象としている。検体購入時期は2012年1月~2月で、テスト期間は2012年3月。

 テスト対象製品は、「DoseRAE2 PRM-1200(RAE Systems)」「DP802i(Shanghai ergonomics detecting instrument)」「PDM-122(日立アロカメディカル)」「PM1621M(Polimaster)」「RAD-30(RADSOS)」「SPD-9100(SFTechnology)」の6製品。

 まず、個人線量計の校正方法(機器の計測した値が正確であるか、ずれがないかチェックをする作業)に基づいたセシウム137由来のγ(ガンマ)線照射試験をおこなったところ、全銘柄ともばらつきは小さく、照射した線量に非常に近い積算線量を示す銘柄があった一方で、1000μSvの条件において照射した値に対して、約半分の積算線量を示す銘柄もあった。

 被災地の屋外環境に近い線量率でのセシウム137由来のγ線照射試験をおこなったところ、照射した線量と正味値のずれが大きくなる銘柄があり、JISの許容する誤差の範囲内に収まるのは3銘柄だけだった。なお、50μSvの試験結果を参考に正味値を補正してみると、取扱説明書等の誤差の範囲に収まる銘柄があった。

 表示については、販売広告から個人の被ばく線量管理等を目的とした個人線量計であることが全銘柄で確認できたが、個人線量計そのものを知らない消費者にはどのような用途で使用できるかわからない銘柄もあった。さらに、校正証明書が添付されていない銘柄があり、出荷前に校正が行われているかを消費者が確認できないと考えられた。また、校正サービスについての問い合わせ先が記載されている銘柄もあった一方で、日本での問い合わせ先がわからない銘柄もあったという。

 国民生活センターでは、調査結果をまとめた文書をPDFファイルとしても公開している。そのうえで、個人線量計の用途をよく把握した上で購入・使用すること、定期的に校正を依頼するなどの管理を行うことなどを呼びかけている。

国民生活センター、デジタル式個人線量計6製品のテスト結果を公表……ネットショップなどで販売

《冨岡晶@RBB TODAY》

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