【夏タイヤ徹底ガイド 2012】グリップ性能が心地よさを左右

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スバル インプレッサG4でトライ
スバル インプレッサG4でトライ 全 16 枚 拡大写真

今回は皆さん興味を持っているグリップについてレポートしよう。今回は残念ながら雨が降っていないので、ドライ路面のみの評価である。

グリップが強いとはどういう意味かというと、タイヤがしっかりと路面を捉えてなかなか滑り出さないことを意味する。実際にはほんの少しの滑りがあるからゴムが少し変形しながら摩擦力を発生するのであるが、クルマに乗っている立場ではこの状態でも滑っているとは感じない。ドライバーの予想する動きより大きくズレてしまうと滑ったという感覚になる。

カーブなどをハイスピードで走ると大きな力を受けタイヤが大きくたわみ、その結果ゴムが路面に接する面積が減ってしまいグリップが落ちていく。それまでよりグリップが低くなるために滑り出す、というのがグリップの限界点だ。グリップが強くても滑り出すと急に大きく変化するのはコントロールが難しい。滑り出しても穏やかに回復してくれるとドライバーは楽だ。

タイヤを硬くして変形しないようにするとグリップは高くなるが、路面が平らではないところでは逆にタイヤが路面に追従できずグリップが下がる。また乗り心地が悪くなるという副作用もある。グリップが強いだけではクルマのボディやサスペンションが負けてしまうということもあり、走り方も含めたマッチングを考えなくてはならない。

ミシュランPilot Sport 3のグリップは、ねばり強い感じがする。タイヤの硬さはあまり感じることなく、適度なしなやかさとゴムのねばる感じが良い。グリップ限界は高く、またその限界を越えるようなドライビングでクルマが滑り出したとしても、挙動変化は非常に穏やかでコントロールしすい。

コーナリング中のグリップの前後バランスがよく、カーブの途中でハンドルを切り足してもよく追従してくれるから安心感が高い。また途中で急にアクセルオフしてもクルマが不安定にならないからここでも安心感がある。

ブリヂストンECOPIA PZ-Xはニュートラル感の軽さからは想像できないほど、コーナリングになるとしっかりとしたグリップ力を発揮する。昔の低燃費タイヤだとこんなにグリップは強くなかった。技術の進歩はありがたいものだ。グリップの感触としてはねばる感じではなく、カチッとちょっと硬い感じで路面を捉える。限界を越えて滑り出しても、急な挙動変化で戸惑うことはない。

ヨコハマDNA S driveはグリップの強さがあり、なかなか滑り出さない。しかしグリップの前後バランスは前輪が弱く、後輪が強い感じである。これはクルマによってマッチングが異なる。今回はスバル『インプレッサG4』に履いたときのことだ。

コーナリング状態に入るといつも前から逃げて行く感じで、ハンドル角が大きめに必要になる。ただし絶対安定という意味では後輪が滑る気配はないために、ドライバーは前輪だけを意識していればいい。

《こもだきよし》

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