【ふそう キャンター エコHV 発表】回生ブレーキの効率を追求したDCT「DUONIC」

自動車 ニューモデル 新型車
三菱ふそう・キャンターエコ ハイブリッド
三菱ふそう・キャンターエコ ハイブリッド 全 12 枚 拡大写真

HVの燃費数値を上げるには、回生量をいかに増やすかが鍵になる。新型「キャンター エコ ハイブリッド」では、ふそう/ダイムラーが「DUONIC」とよぶDCTに工夫がなされた。商用車が多用するアウタークラッチ(偶数段)側にモーター兼ジェネレーターを組み合わせたのだ。

平坦路であればフル積載時の発進も「エンジン3速」+「モーター2速」でこなし、その後の増速により「エンジン3速」+「モーター4速」→「エンジン4速」+「モーター4速」と、「エンジン6速」+「モーター6速」までこの変速を繰り返すことになる。減速時はその逆となるのだが、一般道での走行となるとアウタークラッチ側はほぼ4速だ。

「通常走行ではモーター6速よりもモーター4速が主。なかでも都市部の幹線道路では「エンジン5速」+「モーター4速」を多用する」(三菱ふそう・実験部)という言葉の通り、試乗会の推奨設定コースでは、この「エンジン3~5速」+「モーター4速」での走行時間が非常に長かった。

新型「キャンター エコ ハイブリッド」の肝は、この「アウタークラッチ側4速」。前回のレポートのとおり、アクセルの踏力を緩めると、その量に応じて回生モードに入わけだが、4速ギヤは駆動/回生ともに頻繁に使うことを前提にギヤ比を設定しつつ、高回転高出力型モーターとの相性も高められている。よって、駆動/回生どちらの場面であってもモーター兼ジェネレーターの効率を上げることができるのだ。

通常減速時の「モーター4速」回生領域は概ね65~20km/h。加えて、約20km/h以下の速度域においては「偶数段プリセレクト」により「モーター2速」へシームレスに受け継がれるため、10km/h以下の極低速域まで効率よく回生機能を働かせることが可能。12.8km/lは最後の一滴まで回生力を搾り取るDUONIC+HVの賜物だ。

《西村直人@NAC》

西村直人@NAC

クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。専門分野はパーソナルモビリティだが、広い視野をもつためにWRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席したほか、東京都交通局のバスモニター役も務めた。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事。2023-2024日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会・東京二輪車安全運転推進委員会指導員。日本イラストレーション協会(JILLA)監事。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  3. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  4. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
  5. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る