富士重工業は6月15日、豊田通商と富士重の産業機器製品を中国国内で販売する合弁会社の設立で合意した。9月に会社を設立して営業を開始する予定。
トヨタ自動車と資本提携している富士重は、トヨタと「トヨタ86/スバルBRZ」の共同開発に続いて、トヨタグループとの連携強化を模索しており、産業機器事業で手を結ぶ。
中国の建設機械、農業向けの汎用エンジン、ポンプなどの産業機器製品需要は、中国国内のインフラ整備や農業機械化の進展に伴って成長が続いており、今後も拡大が見込まれる。
これまで富士重の産業機器製品の中国での販売は、商流が複数に分かれ、商品ラインナップは日本から中国への輸出と、富士重の現地合弁会社であるFCRの生産品を中心としたものに限られていた。
今回の販売会社の設立を機に、商流の一元化による販売網、技術サポート体制、サービス網の整備を強化する。また、顧客の利便性の向上と、中国企業で委託生産している製品を新たに中国市場に投入することによる商品ラインナップを拡充する。中国市場での年間販売台数を2011年実績の12万2000台から、2015年までに20万台に伸ばす。
富士重は、産業機器製品部門の中期経営計画で中国市場を米国・国内に次ぐ第3の柱へと成長させることを目指しており、今回の販売会社設立はこの第一歩となるもの。
豊田通商は、これまで培ってきた中国での経験とネットワークを生かし、高品質産業機器製品の販路を開拓していく。