【PHVオーナーの夏】プリウスからのアップグレードのために「G'sルックPHV」が欲しい

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トヨタ・G'sプリウス
トヨタ・G'sプリウス 全 12 枚 拡大写真

『プリウスPHV』を2月に購入して以来、自分の例がそうであるように7~9年落ち程度のガソリン車オーナーがプリウスPHVに買い換える、という前提でPHVの価値について考察してきた。しかし、PHV販売の実情は少し違うようだ。

「プラグインハイブリッド(PHV)や電気自動車(EV)などの次世代エコカーの購入者の内訳をみるとハイブリッドカー(HV)からの買い替え客の割合が多いのが特徴です。まさに日産は『リーフ』の宣伝に『プリウス』の広告に登場したタレント/有名人ばかりを起用して、“HVからEVへの乗り換え”をイメージさせています」(自動車販売関係者)

つまり、ハイブリッドカーにすでに乗っている人の買い替え対象として魅力的でないとPHVの爆発的ヒットには結びつかないのだ。今回は「プリウスPHVはハイブリッドからの乗り換えに耐えうるか」という視点で考察したい。

これまでPHVオーナーとして皆に尋ねられることの筆頭は、やはり電気代と充電箇所だった。電気代が跳ね上がるのではないか?という質問対して僕が答えているのは電気代は月間1000~2000円ほどあがる、しかしガソリン代は5000円~1万円さがるよ、と圧倒的な経済効果を語り、外出先の充電問題に対しての質問には、外出先の充電はほぼしない、する必要がない、と答えている。

では、この圧倒的な経済効果を求めてプリウスや『インサイト』などのHVからPHVに買い換えることが正解かと言われればそうは思わない。初期のハイブリッドカーがそうであったように、約40万の価格差を経済効果で埋めるためにはかなりの走行距離を伸ばし、かつ丹念に充電を行う必要がある。

経済性のみならずエコスマートな体験に価値を感じる人

それでもプリウスPHVやリーフが気になる人がいる。そう、iPhoneの新型を毎年買ってしまうような新しもの好き、かつエコスマートな人々だ。彼ら、というか自分も含まれるので我われは、PHVに未来を感じ、タイムマシンに乗るような気分で差額を良しとするのだ。スマートフォンを利用した充電マネジメント、EVモードのスムーズさと高い実力のHVモードの切替タイミングなどマニア心をくすぐる一方で、“電気自動車”として日常利用できるため妻や子供のウケもすこぶる良い。

「エコスマートなターゲットにとって、PHVエクスペリエンス(体験)は充分に差額を埋めることができる」というのが自分の結論だ。

ZVW30型プリウスの発売開始は2009年5月だった。205万円の衝撃価格とトヨタディーラー全チャンネルでの併売という施策もあって6月以降は月販2~3万台を維持する大ヒットとなったのは御存知のとおり。3年目を迎えるこの夏以降は毎月2~3万台のプリウスが車検を迎えることになる。iPhoneの例ばかりで申し訳ないが、エコスマートなハイブリッドカーオーナーは2年縛りの契約を終えたiPhoneユーザーだと考えていいのではないか。iPhone4ユーザーがiPhone5に買い換えるようにプリウスPHVはアップグレード対象の有力候補だろう。補助金差し引き後のコミコミ約300万円という価格も、3年落ちプリウスの有利な下取り価格と組み合わせれば充分に魅力的な選択肢だ。

折しも消費税増税案が国会を通過し、2014年4月1日から8%に、2015年10月1日から10%に、2段階で引き上げられることになっている。車検を通してもう2年乗り続けると2年後は8%の消費税なのだ。それに10万円のエコカー補助金がこの夏で終了する一方で、PHVやEV、クリーンディーゼルを対象にした「クリーンエネルギー自動車等導入対策費補助金(CEV補助金)」は本年度枠444億円(繰越含む)のうちまだ1割も消化していない。プリウスPHVならば最大45万円の補助金が受けられる。さらに自宅充電器に取り付ける『H2Vマネージャー』もエネルギー管理システム導入促進事業費補助金(HEMS補助金)によって全額補助で取付け可能。その他それぞれ地方自治体の補助金もあるので地元ディーラーに一言聞いてみるべきだ。

買い替えに必要なもうひとつ

もっと魅力的な選択肢にするために一つ提案したい。エクステリアデザインだ。わかるひとが見ればわかるという程度の微妙な差がプリウスとプリウスPHVのエクステリアに与えられている。これではZVW30型プリウスユーザーは買い換えづらい。自分はエコカーだからこんなもの、と諦めてディーラーオプションで細かいエアロパーツや別デザインのホイルを選ぶ程度で注文に至ったが、30ユーザーは躊躇するのではないか。ところが最近、これだと思う強烈に魅力的なエクステリアを持つプリウスに試乗した。

「G'sプリウス」ことS“TOURING selection・G's”である。補強材やスポット増しまで行なってボディ剛性を上げ、ハイブリップタイヤと組み合わされる18インチホイールと車高を15mm落としたエアロパーツを身にまとったG'sプリウスは、2011年年末のプリウスマイナーチェンジと同時、つまりプリウスPHVの二卵性双生児とも言える存在なのだ。

クルマというものは走った感触が良いとカッコよく見えてしまうものかもしれないが、ローダウンされたスタイルとツートンに塗り分けられたバンパーによるエクステリアは、大ヒットしすぎて食傷気味になっているZVW30型プリウスとは一目して違うグッドルッキングである。

このG'sプリウスのスタイルをPHVに組み合わせるとどうだろう。さしずめ“G'sスタイルプリウスPHV”というところか。G'sチューンはエクステリアにとどめて、PHVと組み合わせるお得仕様車をつくれば、車検のためにディーラーに訪れたエコスマートなプリウスオーナーにとって、買い替えを真剣に検討せざるを得ないアップグレードパスとなるはずだ。

スポーティな外観とチューンしたエンジンに対して、ノーマルよりも高い料金設定がなされているというのは受け入れやすい提案だと思うがどうだろう。

《三浦和也》

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