帝国データバンクは、2012年7月末時点の企業概要データベースをもとに、直接、間接を含め輸出取引のある企業について調査したところ、零細輸出企業の4割が赤字となっていることが明らかになった。
輸出企業の調査は2011年8月15日に続いて2回目。
調査結果によると、直接、間接を問わず、海外との間で輸出取引を行っていることが判明した企業数は、国内に3万3273社あった。
業種別では「製造業」が1万4845社と最も多く、2位の卸売業の1万4436社との2業種だけで全体の約9割を占める。
年商規模別では「1~10億円未満」が1万4894社で最も多く、全体の44.8%を占めた。
円高水準が定着している中で、年商規模別の損益状況を見ると「1億円未満」の零細企業の赤字比率は41.6%と突出している。年商規模が小さくなるにつれて赤字比率が高まる傾向にあり、中小零細企業への円高の影響が懸念される。
都道府県別の輸出企業は「東京都」の1万1090社がトップで、以下「大阪府」の5395社、「愛知県」の2065社、「神奈川県」の1977社、「埼玉県」の1433社と続く。
これに対して、赤字企業比率上位を見ると「宮城」が41.4%でトップ、次いで「青森」の32.6%、島根の31.7%、「岩手」の31.0%と続いた。
2012年1~7月の「円高関連倒産」は68社判明し、前年同期の26件の2.6倍に達するなど、高水準での推移が続いている。とくに7月は17社を数え、2011年10月の15件を上回り過去最多を更新した。中小零細企業が中心ではあるものの、業界中堅クラスの企業にも円高が深刻な影響を及ぼしていることが明らかになっている。
円高は長期化の様相を呈しており、中小の製造業者では、主力得意先メーカーの海外シフトなどで受注が急減し、倒産に追い込まれるケースも散見される。過去の円高局面で疲弊している企業は多く、同社では、経営体力に乏しい零細輸出企業を中心に、関連倒産はさらに増加する可能性があると指摘する。