新型車は、エンジンを従来の1.5リットルからノーマル吸気の1.2リットルにダウンサイズした。全車にアイドリングストップ装置を搭載、約70kgの軽量化を図るなどにより、燃費は22.6km/リットルとクラストップを達成した。
このエンジンは『マーチ』や新型『ノート』と同じものだが、ノートで好評を得ている1.2リットルのスーパーチャージャー搭載タイプは見送った。開発責任者の都築邦康チーフ・プロダクト・スペシャリストは「お客様のニーズ次第ですが、現状のセダンの市場規模からも(設定は)厳しい」と説明する。
新興諸国を中心に世界ではセダン市場が伸びているものの、「日本のコンパクトセダン市場は、ここ10年で約7割減少した」という。旧モデルの『ティーダ ラティオ』は年間2万台程度の販売実績であり、規模の面からバリエーションを広げづらいという事情がある。
もっとも、軽量化やCVTのセッティング最適化などにより「発進時、再加速時とも加速性能は1.5リットルの旧型と同レベルを確保できた」(都築氏)という。有効室内長で日産の上級セダンである『ティアナ』並みを確保した快適性や求めやすい価格など、総合力をアピールしていく構えだ。