モバイル化とクラウドサービスが企業にもたらすメリット

自動車 ニューモデル 新型車
大塚商会 Webプロモーション部 たよれーる・MNSプロモーション課 専任課長 川田晃矢氏
大塚商会 Webプロモーション部 たよれーる・MNSプロモーション課 専任課長 川田晃矢氏 全 6 枚 拡大写真

 前編では、ハードウェアの進化によって進むモバイル化と、クラウドサービスがもたらす業務効率の改善について大塚商会に聞いた。後編では、管理負担の軽減や、BCP(事業継続計画)の観点からも、クラウドサービスを検討する中小企業が増えている点についてみていきたい。

■震災を契機として意識に変化が

 まず東日本大震災が起きてから特に利用が急増しているのが同社の「リモートバックアップサービス」だという。データリカバリーやサルベージのようなサービスは昔から同社でも提供してきたが、いまやそのためだけに多額の金額をかけられないご時勢だ。「このメニューは、いざというときのディザスターリカバリー対策として人気がありますね。やはり日ごろからバックアップをしっかり取っておきたいという意識が強くなっているのだと思います」と、大塚商会 Webプロモーション部 たよれーる・MNSプロモーション課の川田晃矢氏は語る。同サービスには、サーバデータ用とPCデータ用の2種類のメニューがあり、サーバ用では1日1回のバックアップを行い、容量10GBならば月額12,000円から(10GB超過あたり1,000円)。一方クライアントPC用では容量5GBまで月額1,200円からとなっており、国内2ヵ所のデータセンターにて同時バックアップされる。

 安心・安全なデータセンター内にシステムを構築したいという声も多い。とはいえ、いざデータセンターを利用しようとすると、最低でも月額20万円程度の料金が掛かってしまうため、なかなか手が出ないというのが実情だ。またユーザーにとって、いわゆる“クラウド的なサービス”は実体がつかみにくく、よく分からないという声も聞く。「そこでデータセンターのスペースを1台分だけ小分けにお貸し出しするハウジングサービスがウケているのだと思います」と川田氏は説明する。

 大塚商会の「2Uハウジング Windows」は、月額料金がサポートまで込みで55,000円から(サーバ、OS別)となっており、中小企業でも無理なく支払いできる料金設定が好評だ。「お客様に対しては、“お手軽・お任せのサーバお預かりサービス”という分かりやすいメッセージで提供しています」というが、もしユーザー側でサーバを用意するのが面倒ならばレンタルするこもできる(「2Uハウジングレンタル Windows」)。別メニューとして、仮想化に対応した「たよれーる2Uハウジング Hyper-V」や「たよれーる2Uハウジング VMWare」も用意。いずれもサーバのレンタルが可能だ。仮想化技術によって複数台のサーバ環境をつくれるため、コスト低減にもつながるだろう。Hyper-V版では、サーバ上に4つのゲストOSを搭載でき、月額料金は70,000円から。一方、VMWare版(4コア版)のほうも4つのゲストOSを搭載できP2Vにも対応する。月額料金は85,000円から。さらにもう一台のサーバを追加して冗長構成にすれば、何かトラブルがあっても別サーバに自動的に切り替えられる。

 川田氏は「いずれの場合でも、月額10万円以下で利用できることが大きなポイントです」と、徹底的に中小企業に優しいサービスであることを強調する。導入時には別途、初期費用が掛かるがこれらはオンプレミスのときとさして変わらず、この料金体系なら中小企業に好評だという。

■「人」によるサポートを徹底

 また、同社のサポート関連のサービスも評判が良いとのこと。「MNSクライアント支援パック」は、リモートコントロールによってエンドユーザーのトラブルシューティングを行ったり、新しいOSやOfficeなどのアプリケーションの問い合わせをフリーダイヤルにて対応する。また、どうしてもリモートコントロールや電話で対処できないネットワーク障害などの場合には、同社のエンジニアが直接訪問して(オンサイトで)サポートする体制も整っている。全てのケースでのサポートが十全に用意されており、それでPC1台あたり月額1,200円からという料金はありがたい。

 このようなサポートサービスは、管理者が置けない、あるいは管理者の人数が少ない中小企業にとっては大変有用なものだろう。「我々はメールでの対応をしないのがポリシーです。問い合わせてもいつ連絡が来るのか分からなければ、お客様のほうも不安ですから。海外ではなく、東京にあるコールセンターにフリーダイヤルですぐにつながるようになっています」とのことだ。

 「MNSクライアント支援パック」には、PC資産・セキュリティ管理をサポートする「PCマネジメントASP」が含まれている点も特徴だ。たとえば、資産管理では、ブラウザーによって拠点のリソース状況を一括で把握できる。PCにインストールされたソフトウェアの情報を表示すれば、ライセンス管理にも役立てられるだろう。またセキュリティ管理では、USBメモリやCDドライブなどの利用を禁止することで、社内情報の漏洩も抑止・防止する。

 このように、大塚商会では、中小企業向けの料金体系とサービスを徹底している。実際に「たよれーるサービス」を含む同社のWebサービス(ASPサービス)の契約者数は、現時点で総計116万ユーザーを超える勢いとのことだ。ビジネスシーンにおけるモバイル化は、間違いなく今後も進むと考えられるが、中小企業が本当に強くなるためには、業務効率改善、管理負担軽減、そして何よりコストの軽減を実現するソリューションを選択することが必要不可欠である。

【中小企業のIT活用術 Vol.6】モバイル化とクラウドサービスが企業にもたらすメリットとは(後編)

《井上猛雄@RBB TODAY》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 【スズキ ジクサー250 試乗】250ccでダントツにリーズナブル! この手軽さと奥深さはスズキ随一の仕上がりだ…伊丹孝裕
  2. 「最初からこれが欲しかった」レクサスの特別な『LBX MORIZO RR』限定発売に、SNSで反響
  3. 車内が即ネット空間に! 新型USB型Wi-Fiルーターがドライブを変える[特選カーアクセサリー名鑑]
  4. ポルシェ、新型『911カップ』発表…520馬力にパワーアップ
  5. 狭い道! 制限1.9mだが何かがおかしい…東京都小金井市
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る