ホンダは10月16日、山梨県の小淵沢でマイナーチェンジをしたハイブリッド車『CR-Z』の試乗会を行った。そこで、開発責任者で本田技術研究所四輪R&Dセンターの友部了夫主任研究員は「デザインは福井前社長の一言がヒントになっている」と明かした。
友部氏ら開発陣は新しいスモールスポーツカーのデザインを検討していた。しかし、なかなかそれが決まらなかった。そんな時、福井威夫社長(当時)がやってきて、「あれを参考にしたらいいんじゃないか」と一言。
あれとは、若手デザイナーが製作した黒いスポーツカーのモックアップ(模型)。非常にスタイルがよく、格好がよかった。福井社長はそれを見て、一目で気に入ってしまったのだ。
そこから一気にスポーツカーのプロジェクトが加速。友部氏らはモックアップのイメージを崩さないように、できるだけ車高を低くするよう努力したという。「非常に苦戦をし、あの手この手といろいろ小細工をして、今ある形になったのです」と友部氏は振り返った。