トヨタ自動車が、米国で販売している最上級大型セダン、『アバロン』。同車の新型発売を機に、トヨタが現地リムジン市場の開拓を進めることが分かった。
これは10月30日、トヨタの米国法人、米国トヨタ販売が発表したもの。新型アバロンをリムジン運行会社や企業、官公庁にリムジンとして採用してもらうため、専用のフリート仕様を設定することが告げられたのだ。
米国リムジン市場はこれまで、フォードモーターの高級車ブランド、リンカーンの『タウンカー』が80%という圧倒的シェアを握っていた。しかし、タウンカーは生産を終了。後継車のリンカーン『MKT』をはじめ、GMのキャデラック『XTS』やクライスラー『300』が市場シェアを奪い合う形となっている。
トヨタは新型アバロンで、このリムジン市場に切り込む。そのために設定されるのが、専用のフリート仕様。リムジンの本場、ニューヨークは冬季の寒さが厳しいが、後席にシートヒーターや空調システムの「HVAC」を追加装備。この他、ガレージオープナーやスマートキー、リアビューカメラなどの特別装備が用意される。もちろん内外装は、リムジンらしく、黒基調。
ハイブリッドをラインナップするのは、競合車にない新型アバロンの強み。米国トヨタ販売は、「年間5万マイル(約8万km)も走行するリムジンだけに、燃料コストの削減効果は大きい」とアピールしている。