イタリアの名門ブランドで、現在はフィアット傘下にあるランチア。同ブランド廃止の噂を、フィアットと提携関係にあるクライスラーグループの広報担当が否定している。
事の発端は、ドイツの一部メディアが10月末、「フィアットがランチアブランドの廃止を検討している」と報じたこと。この報道を受けて、現在、ランチア主要車をOEM供給しているクライスラーグループのコメントだ。
11月2日、米国の自動車メディア、『モータートレンド』は、ランチアに関する記事を掲載。同メディアのインタビューに応じたクライスラーグループの広報担当、スコット・ブラウン氏は、「ランチア『イプシロン』の生産はイタリアで続ける。その他の車種についても、クライスラーグループが北米で生産し、供給し続ける」と述べ、ランチアブランドの廃止を否定した。
欧州では信用不安の影響で、各社が新車販売で苦戦。とくにフィアットは販売不振が深刻で、2012年1-9月実績は、前年同期比16.8%減の62万3791台。そのうち、ランチアは5.4%減の7万4464台だ。
かつては、『ストラトス』、『デルタ HFインテグラーレ』などの名車を生み出したランチア。しかし現在は、クライスラーグループのOEM車が大半を占めており、かつてのような魅力に乏しいとの指摘がある。ブランド存続が決まっても、抜本的なブランド改革が求められていることに変わりはない。