アジア・パシフィック日産自動車の木村隆之社長は11月6日、バンコク市の本社で取材に応じ、今年初めて100万台を突破したタイの新車市場は、来年以降も「100万台をベースに経済成長率並みの拡大が続く」との見通しを示した。
タイの市場は昨年、東日本大震災や大洪水による日本メーカーの生産減により、ほぼ横ばいの79万台にとどまったものの、今年は前年を5割上回るペースで急拡大している。10月には東南アジア諸国では初めて年間需要が100万台に到達した。
日本メーカーの生産回復に加え、政府が昨年9月から導入した初回の新車購入者への補助金支給(物品税還付)が市場を活気づけている。この施策は今秋にも終了の見込みだったが、政府は年内の受注分まで延長した。こうした措置もあり、木村社長は今年の新車重要を「130万台規模」と見込んでいるという。
一方、来年には刺激策分の「はげ落ち」が避けられないものの、「100万台規模」をベースに「まだ伸びると見るのだ妥当」と指摘した。大きな理由として、東南アジアで自動車普及が先行したマレーシアに比べ、人口当たり保有台数がタイはまだ半分のレベルである点を挙げた。