トヨタ自動車の豊田章男社長は11月8日、バンコク市内で開いた現地法人の設立50周年記念式典の席上、タイでの生産能力を「近い将来、年産100万台レベルまで引き上げていきたい」と表明した。
50周年を迎えたのは3工場を有するタイトヨタ(トヨタ・モーター・タイランド)で、現在の能力は年67万台。同社は今年1月に、ゲートウェイ工場に第2工場を建設する計画を決めており、2013年半ばには関連会社を含む能力は76万台となる。今回は、その計画よりさらに3割強の能力増方針を打ち出した。現在、トヨタの生産が100万台を超えているのは日本と米国だけで、今後、タイは中国と並ぶ新興国の重要拠点となる。
トヨタはタイの新車市場で38%程度のシェアをもつトップメーカー。今年の総市場は、昨年の洪水からの復興需要などにより、過去最高の140万台(前年比75%増)規模に達する見込み。トヨタ車も最高の50万台(70%増)を計画している。
タイは輸出拠点とも位置づけられており、今年の生産見込みは88万台と、能力を大幅に上回るフル生産が続いている。今後も内需や輸出向けの需要が高まる見通しにあり、一層の能力増が課題となっていた。