【トヨタ マークX 試乗】外見だけでなく乗り味も進化…松下宏

試乗記 国産車
マークX
マークX 全 20 枚 拡大写真

マイナーチェンジを受けたトヨタ『マークX』に試乗した。モデルチェンジの中間で実施されるマイナーチェンジは、ごく小幅な変更にとどめられる例も多いが、今回のマークXは全面改良とまではいかないにしても、見て、乗って変わったことがはっきりと感じられた。

【画像全20枚】

外観デザインはフロント回りが大きく変わった。これまでのマークXは3連のヘッドランプが特徴としていたが、それを今回はマイナーチェンジで大きく変更した。

ランプそのものを消費電力が少なくて明るいディスチャージ式に変更するとともに、LEDのクリアランスランプを採用し、更にバンパーを迫力ある形状に変更すると同時に、ヘッドランプとかみ合うようなデザインとすることで、フロント回りはまるで別のクルマになったかのようだ。グリルの中央に配置される“X”の文字もこれまで以上に強調されている。

インテリアも3種類のタイプ(プレミアム、スポーツ、スタンダード)ごとに内装色やデザイン、素材などを見直し、それぞれの個性を明確なものにした。プレミアムにアルカンターラのシートを採用し、スポーツに幾何学調の柄のパネルを採用したことなどがその典型。メーターやシフトノブの周辺に高輝度シルバーを採用したことと合わせ、全体に質感が向上した。

メカニズム部分についても普通のマイナーチェンジではやらないような内容の改良が加えられた。スポット溶接の点数を増やしてボディ剛性を高めたほか、内装材やピラー内の制振材の採用を拡大したのがそれ。

剛性を強化してしっかりしたボディを作ることは、乗り心地を良くすることにつながる。これによってマークX全体の乗り心地を底上げした上で、プレミアム系には振動数感応型の新しいショックアブソーバーを採用することで、更に優れた乗り心地と操縦安定性を高い次元で両立させている。

新ショックアブソーバーによる走りの良さは,マークXを走らせると実感できる。カーブで車体が傾くときの大きな動きも、路面の段差で突き上げを受ける速い動きも、うまくいなして快適な乗り心地を実現するからだ。プレミアム系にしか採用されないのはやや残念だが、出来の良い足回りであるのは確かだ。

もうひとつマークX全体の改良点として静粛性の向上が上げられる。前述のような騒音・振動対策を施したことで、街中で路面からくるロードノイズや高速道路での風切り音が低減した。

これまでのマークXもそれなりに高級車らしい静粛性を備えていたが、際立って静かというほどではなかった。それが今回のモデルでははっきりと静かなクルマになったといえる。

250Gと250Gの“Sパッケージ”、3.5リッターエンジンを搭載したプレミアムの計3グレードに試乗した。いずれもエンジンと6速ATは基本的に変更を受けていない。

標準仕様の250Gでも十分な動力性能があり、6速ATの滑らかな変速と合わせて快適な走りを実現する。これで十分という印象だった。

250G“Sパッケージ”はオプションの18インチタイヤ&アルミホイールが装着されていて、しっかりした感じの乗り心地になっていた。18インチタイヤの性能は魅力だが、スタッドレスタイヤを買うときのことを考えると悩んでしまう。

プレミアムに搭載される3.5リッターエンジンは、マークXのボディに対して余裕十分というか、過剰なくらいの動力性能を持つ。高速域での加速伸びなどはとても気持ちが良いし、18インチタイヤに前述の振動数感応型のショックアブソーバーを備えた足回りも相当に良い。

ただ、3.5リッターのプレミアムは価格もかなり高い。単純にお勧めできるモデルにはなりにくい。一般的には250Gがお勧めで、余裕があるなら2.5リッターのプレミアムを選んだら良いと思う。

マークXで残念なのは、パワートレーンが大きな変更を受けていないことが影響して、エコカー減税の対象になっていないこと。これが実現できていたら満足度が高まったのだが…。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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