【新聞ウォッチ】死者9人の大惨事、中央道・笹子トンネルの天井崩落事故

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笹子トンネルは救助活動が続いており、復旧のめどはたっていない
笹子トンネルは救助活動が続いており、復旧のめどはたっていない 全 1 枚 拡大写真

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2012年12月3日付

●トンネル天井崩落4人死亡、中央道3台下敷き、山梨・笹子、救出活動続く(読売・1面)

●東南アジア車市場拡大、タイ洪水反動で6割増、インドネシア将来300万台(読売・7面)

●トンネル天井崩落、通行止め長期化懸念、運輸・物流、迂回・減便で対応(読売・7面)

●設備投資16%増維持、今年度本社調査(日経・1面)

●月曜経済観測,逆風の車業界展望は、日産自動車志賀俊之氏、世界市場、需要なお堅調(日経・3面)

ひとくちコメント

師走に入り、残りの1ヵ月ぐらいは、紙面を賑わすようなニュースはなく、平穏無事で終わって欲しいと願っていたが、そう甘くはなかった。死者9人を超える悲惨な事故が、山梨県大月市と甲州市にまたがる中央自動車道上り線の笹子トンネル内で起こってしまった。

きょうの日経を除く各紙が1面トップ、社会面などで大きく報じているが、2日午前8時ごろ、中央自動車道上り線の笹子トンネル内でコンクリート製の天井板が130メートルにわたり崩落し、少なくとも車3台が下敷きになる大事故が発生。多摩ナンバーのレンタカーのワゴン車内に複数の遺体、山梨ナンバーの乗用車内に別の遺体を確認したという。冷凍冷蔵トラック内でも1人が死亡しており、死者は9人となった模様だ。

中央高速道を管理する中日本高速道路によると、1977年の開通以降、天井部分の大規模な改修工事は行われず、天井をつる金具上部の点検も双眼鏡による目視のみと安易な点検だったそうだ。安全管理への手抜きとしかいいようがない。

中央自動車道の笹子トンネルでの事故を受けて、高速道路各社は、同じように上部に天井板がある構造のトンネルについて、安全性に問題がないか点検を急ぐことにしたという。国土交通省によると、東日本・中日本・西日本の高速道路3社だけでつり天井式は20数カ所、中日本高速道路によると12カ所だそうだ。笹子トンネルのほか、中央道恵那山トンネル(長野県-岐阜県)、東名高速都夫良野トンネル(神奈川県)、新東名高速富士川トンネル(静岡県)の3カ所も含まれるという。

先週の3連休には、最後の紅葉を見物するために伊豆箱根方面にドライブしたが,帰路の東名高速都夫良野トンネルは、大渋滞でトンネルを抜けるまでに30分近くもかかってしまった。そんなときに、まさかの天井崩落が起こったならば、と想像するだけも恐ろしい。

自動車自体の安全対策ではメーカーの努力で、接近しても衝突を回避できる画期的な新技術が開発されているが、それでも天井の崩落までは防げない。今回の衆院選で、10年後、20年後に原発を廃止する、しないの議論も大切だが、首都高速など老朽化した道路の安全点検を示す候補者もあってしかるべきではないだろうか。

《福田俊之》

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