【COTY 選考コメント】クルマ離れに一石を投じる精神を評価した…青山尚暉

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86S(ハチロックス) HACHI-ROCKS J001 HAKONEの様子。
86S(ハチロックス) HACHI-ROCKS J001 HAKONEの様子。 全 6 枚 拡大写真

今年、10点を投じたのはトヨタ『86』/スバル『BRZ』である。

21世紀の86は、この時代にハチロクの精神をハードとソフトの両面で蘇らせた、誰もが手軽に楽しめるユーザーフレンドリーなスポーツカーだと思う。トヨタとスバルが協業して生まれたところも奇跡であり新鮮だ。

両車は意外なほど実用的で、この時代に不可欠な燃費性能はスポーツカーとして最良。何しろ、後席をフラットに格納するとタイヤ4本、そして大型犬でさえ乗れるスペースが生まれ、実燃費は6AT車で条件によっては15km/リットルはいくから驚かされる。

さらに多くのクルマは手元にきた瞬間が所有する歓びのピークだが、とくに86は手元にきてから長きに渡って楽しめるソフト、スポーツカーカルチャーが用意され、かつてない楽しみ方の提案を行なっている点も評価。両車の、若者のクルマ離れ、日本人のスポーツカー離れに一石を投じるであろうその精神、取り組みに、イヤーカーとしての価値を見出した。

ディーゼル対決ともなったマツダ『CX-5』とBMW『3シリーズ』(セダン/ツーリング)は、富士スピードウェイの取材会で同じ道を続けて試乗したが、エンジンの仕上がりは3シリーズに軍配が上げられる。ゆえに、320dがいなければCX-5への配点はもっと高かったかもしれない。

フォルクスワーゲン『up!』はASGの改良に期待しつつも、フォルクスワーゲンならではの妥協なき質の高さと、実質、上級軽自動車並みの価格、安全装備の充実度が素晴らしかった。レンジローバー『イヴォーク』は、もちろんそのデザイン、価格対満足度に惚れた結果の配点である。

●トヨタ『86』/スバル『BRZ』:10点
●BMW『3シリーズ』(セダン/ツーリング):6点
●レンジローバー『イヴォーク』:4点
●フォルクスワーゲン『up!』:3点
●マツダ『CX-5』:2点

青山尚暉|モータージャーナリスト
東京都出身。自動車専門誌編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌、一般誌、ウェブサイト、ラジオなどに寄稿、出演。クルマの実用性を数値で表す、独自の計測機器によるパッケージ寸法データを蓄積中。試乗記、購入ガイドなどの執筆のほか、コンパニオンアニマルとしての愛犬と楽しむ快適自動車生活を各方面で提言。

《青山尚暉》

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